公募研究
平成21年度に、ロドプシン輸送の分子機構を調べるために、これらの過程に欠損のある変異体のスクリーニングを行い、複数のロドプシン輸送に重要と考えられる遺伝子を単離していた。平成22年度は、それらの変異体のうち、GPIのタンパク質への付加に関与する遺伝子PIGの変異体について詳細な解析を行なった。申請者等の開発した青色光によるレチナールの異性化を用いたロドプシンの輸送開始実験を行った結果、PIG変異体では、ロドプシンがゴルジ体へと正常に輸送されているが、その後、ポストゴルジ小胞に詰め込まれることなく分解されることが分かった。また、本来側底面へと輸送されるNaK-ATPaseとストーク膜に輸送されるCrbが、PIG変異体では光受容膜にも誤って輸送されることを見出した。これらの結果から、PIG変異体ではトランスゴルジネットワークにおける選別の過程に欠損があると考えられた。酵母の研究からPIG変異体では、GPIアンカー型蛋白質の合成のみならず、脂質の合成と分布にも欠損が見られることが報告されており、ラフト形成に欠損がある可能性がある。現在、"トランスゴルジルットワークにおけるラフト依存的なロドプシンの選別"が行われるという仮説(ラフト仮説)を立て、その検証実験を行っている。
すべて 2010
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Neuron
巻: 67 ページ: 997-1008
ライフサイエンス新着レビュー
新学術領域「細胞内ロジスティクス」Newsletter.
巻: 3 ページ: 6-10