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2009 年度 実績報告書

ARF-COPI輸送系が関与する新たな細胞機能の解析

公募研究

研究領域細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究
研究課題/領域番号 21113512
研究機関京都大学

研究代表者

中山 和久  京都大学, 薬学研究科, 教授 (40192679)

キーワードメンブレントラフィック / 小胞輸送 / COPI / Arf / 脂肪滴
研究概要

COPI被覆小胞は、ゴルジ体から小胞体へのタンパク質や脂質の逆行輸送を仲介する。COPI小胞のコートタンパク質であるCOPI複合体のサブユニットや、COPIを小胞膜へとリクルートするために必要な低分子量GTPaseのARF、およびそのGEFであるGBF1、あるいはGAPであるArfGAP1-ArfGAP3をノックダウンしたり、Arf-GEFの阻害楽であるブレフェルジンAで細胞を処理したりすると、脂肪滴のサイズが大きくなることを見いだした。このような条件下では,細胞内のトリグリセリドの含量が増えていることから、ARF-COPI系を介するゴルジ体から小胞体への逆行輸送の遮断がトリグリセリドの合成の亢進、あるいは分解の低下を引き起こすと考えられた。
そこでまず、トリグリセリド合成が亢進する可能性について検討した。一つの可能性として、ARF-COPI系を遮断することによって、トリグリセリド合成に関与するタンパク質の脂肪滴表面へのリクルートが変化する可能性がある。しかし、PATタンパク質の一種であるADRPやTIP47などのタンパク質に顕著な変化は見られなかった。
別の可能性としては、ARF-COPI系を遮断することによって、脂質合成全般が亢進する可能性がある。そのマスタースイッチとなるのが転写因子SREBPである。平成21年度はこれまでに、COPIやArf-GEF、ArfGAPをsiRNA法でノックダウンすると、SREBPの不活性型から活性型への変換が亢進することを見いだしている。今後、他の条件でもSREBPの活性化が亢進するのかや、SREBPの下流で転写調節を受ける遺伝子の発現の変化などについて検討する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ArfGAPs participate in coat protein I-mediated transport2009

    • 著者名/発表者名
      Saitoh, A., et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 284

      ページ: 13948-13957

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differential effects of depletion of ARL1 and ARFRP1 on membrane trafficking between the trans-Golgi network and endosomes2009

    • 著者名/発表者名
      Nishimoto-Morita, K., et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 284

      ページ: 10583-10592

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The retroendocytosis pathway of ABCA1/apoA-I contributes to HDL formation2009

    • 著者名/発表者名
      Azuma, Y., et al.
    • 雑誌名

      Genes Cells 14

      ページ: 191-204

    • 査読あり
  • [学会発表] CRESCent:紡錘体極中心体のまわりに形成されるリサイクリングエンドソームのクラスター2010

    • 著者名/発表者名
      中山和久
    • 学会等名
      第115回日本解剖学会全国学術集会シンポジウム
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2010-03-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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