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2010 年度 実績報告書

小胞輸送を介した免疫応答における時間的空間的制御機構

公募研究

研究領域細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究
研究課題/領域番号 21113520
研究機関九州大学

研究代表者

田中 芳彦  九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (00398083)

キーワード免疫学 / シグナル伝達 / 細胞/組織 / 受容体 / 小胞輸送
研究概要

前年度の研究成果に基づき、形質細胞様樹状細胞(pDC)におけるToll様受容体9(TLR9)の動態的制御機構を明らかにするために、Rac活性化のマスター分子であるDOCK2欠損マウスおよびTLR9欠損マウスから分離した骨髄pDCならびに骨髄から分化誘導させたpDCを用いて機能解析を行った。
1.TLR9からIRF7の活性化に至るシグナル伝達経路に位置する分子を対象に、タンパク質相互作用やリン酸化につき生化学的に解析した。また、レトロウイルスの系を用いてGFPとの融合タンパク質としてTLR9を発現させ、抗GFP抗体による免疫沈降あるいは検出を行い、シグナル伝達に関する解析を行った。
2.野生型とTLR9欠損pDCを用いて、CpG-A刺激によるRac活性化やアクチン重合を解析し、Rac活性化がTLR9依存性であるかどうかを解析した。
これら研究成果より、DOCK2-RacシグナルがpDCにおいてTLR9を介するI型IFN産生に重要であることを見いだすとともに、DOCK2欠損pDCではIKK-αのリン酸化とIRF-7の核移行が障害されており、その結果としてI型IFN産生が選択的に障害されていることを明らかにした(J Exp Med.207 : 721-730, 2010)。このように免疫系細胞のシグナル伝達機構を明らかにすることで、感染症などの免疫系疾患の病態解明と治療法開発へ向けての分子基盤を切り拓いた。今後、様々な免疫系受容体のメンブレントラフィックにおけるDOCK2-Racシグナルの役割を解析することで、さらなる細胞内ロジスティックに基づいた生体防御システムにおける分子基盤が確立されることが期待される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 自然免疫システムにおけるDOCK2の機能とその制御2011

    • 著者名/発表者名
      田中芳彦, 他
    • 雑誌名

      細胞工学

      巻: (印刷中)

  • [雑誌論文] Selective control of type I IFN induction by the Rac activator DOCK 2 during TLR-mediated plasmacytoid dendritic cell activation.2010

    • 著者名/発表者名
      Gotoh K., et al.
    • 雑誌名

      J.Exp.Med.

      巻: 207 ページ: 721-730

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DOCK180 is a Rac activator that regulates cardiovascular development by acting downstream of CXCR4.2010

    • 著者名/発表者名
      Sanematsu F., et al.
    • 雑誌名

      Circ.Res.

      巻: 107 ページ: 1102-1105

    • 査読あり
  • [学会発表] The atypical Rac activator DOCK5 regulates osteoclast function for bone homeostasis.2011

    • 著者名/発表者名
      Sakai Y., et al.
    • 学会等名
      7^<th> Global-COE international symposium and 6^<th> young investigators forum
    • 発表場所
      Angsana Resort & Spa Bintan (Indonesia)
    • 年月日
      2011-02-12
  • [学会発表] Critical role of DOCK2 in type I IFN induction in plasmacytoid dendritic cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Gohoh K., et al.
    • 学会等名
      14^<th> International Congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸国際展示場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-08-23
  • [学会発表] Critical role of DOCK2 in type I IFN induction in plasmacytoid dendritic cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Gohoh K., et al.
    • 学会等名
      5^<th> International Symposium of Institute Network
    • 発表場所
      KKR金沢(石川県)
    • 年月日
      2010-06-24
  • [学会発表] TLRを介した形質細胞様樹状細胞活性化におけるDOCK2の役割2010

    • 著者名/発表者名
      後藤和人, 他
    • 学会等名
      Kyoto T Cell Conference
    • 発表場所
      京都大学(京都府)
    • 年月日
      2010-06-04
  • [備考]

    • URL

      http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/iden/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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