Golginファミリータンパク質はゴルジ体の層板構造のスタッキングを維持する足場であると同時に、様々なArfやRabファミリーGTPaseと結合することにより、ゴルジ体への輸送小胞の繋留やゴルジ体層板問の輸送などのメンブレントラフィックを制御する機能を持っ。本研究ではgolginファミリータンパク質とArf/RabファミリーGTPaseとの複合体の結晶構造解析に取り組み、golginのArf/Rab結合特異性と膜への結合のメカニズムを分子レベルで解明することを目的とし、以下の2つのテーマについて研究を行なった。 1. GolginのGRABドメインとArflの複合体による膜曲率感知機構 Golginファミリータンパク質GMAP-210にはGRAB(GRIP-related Arf-binding)ドメインが存在し、Arflと結合して膜にリクルートされる。Arflとの複合体の結晶構造解析を行うためにGMAP-210のGRABドメインの発現系を試みたところ、分解が激しく極めて不安定であった。 2. GolginとRabの複合体の立体構造解析による結合特異性 Golginファミリータンパク質GCCI85には14種類のRabが結合することが報告されている。これらのRabがGCCI85のどの領域に結合するかを詳細にマッピングするため、1684アミノ酸からなるGCCI85を150残基ごとに分割した発現系を作製した。また、GCCI85との相互作用が報告されているRabの中から10種類について発現系を作製した。
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