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2009 年度 実績報告書

免疫疾患におけるユビキチン依存症ロジスティクスの関与についての検討

公募研究

研究領域細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究
研究課題/領域番号 21113531
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

石戸 聡  独立行政法人理化学研究所, 感染免疫応答研究チーム, チームリーダー (10273781)

キーワードMHC class II / ユビキチン化 / 樹状細胞 / 遺伝子改変マウス / 抗原提示 / エンドサイトーシス
研究概要

MHC class IIはMARCH-Iによるユビキチン化によってその細胞表面における発現が制御されている。MHC class IIのbeta鎖の225番目のリジン残基がユビキチン化部位である。本年度は、MARCH-IによるMHC class IIのユビキチン化が免疫システムにおいてどのような意義を持っているのかについて検討を加えた。最初に、MHC class IIのユビキチン化の状態が、免疫起動細胞である樹状細胞においてどのように制御されているのかついて検討した。樹状細胞は感染の刺激を受けると活性化し免疫を誘導する。この際に、病原体由来のペプチドを提示したMHC class IIが細胞表面に高発現することが明らかとなっている。この状態を模倣する為に、LPSにて樹状細胞を刺激した。その結果、MHC class IIのユビキチン化は顕著に抑制された。さらに、MARCH-Iの発現も同時に顕著に低下していた。これらの事から、感染刺激によってMARCH-Iの発現が減少し、MHC class IIのユビキチン化が抑制され、病原体に対する免疫が効率よく誘導されると考えられる。従って、この仮説を証明する為に、MARCH-Iのconditional knock-outマウスを作製した。このマウスはタモキシフェンの投与によってMARCH-Iが欠損出来るマウスであり、感染刺激によってMRRCH-Iが欠損する状況を模倣する事が出来る。現在までに、このマウスから作成した樹状細胞を用いて、in vitroにてMARCH-Iを欠損出来る事、さらにMHC class IIのユビキチン化が顕著に減弱する事を確認している。現在、この樹状細胞を作成し、我々の仮説の証明を行なっている所である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] MARCH-I : A New Regulator of Dendritic Cell Function2010

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ishido, Yohei Matsuki, Eiji Goto, Mizuho Kajikawa, Mari Ohmura-Hoshino
    • 雑誌名

      Molecules and Cells 29

      ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Requirement of MARCH-I-mediated MHC II ubiquitination for the maintenance of conventional dendritic cells2009

    • 著者名/発表者名
      Mari Ohmura-Hoshino, Yohei Hatsuki, Mari Mito-Yoshida, Eiji Goto, Masami Aoki-Kawasumi, Manabu Nakayama, Osamu Ohara, Satoshi Ishido
    • 雑誌名

      THE JOURNAL OF IMMUNOLOGY 83

      ページ: 6893-6897

    • 査読あり
  • [学会発表] ユビキチンによる新たな免疫制御機構2009

    • 著者名/発表者名
      石戸聡
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-12-10
  • [学会発表] E3ユビキチンリガーゼc-MIRの抗炎症効果による関節炎治療2009

    • 著者名/発表者名
      豊本雅靖
    • 学会等名
      第39回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-12-03
  • [学会発表] MHC class IIのユビキチン化によるMHC class I発現の制御2009

    • 著者名/発表者名
      星野真理
    • 学会等名
      第39回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-12-02
  • [学会発表] カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスMIR2による新規ポリユビキチン鎖を介したMHCclass I制御機構の解析2009

    • 著者名/発表者名
      後藤栄治
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-10-26
  • [学会発表] 主要組織適合抗原を制御するユビキチンリガーゼファミリー2009

    • 著者名/発表者名
      石戸聡
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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