申請者らがこれまでDNAメチル化が分化に伴い減少することを明らかにしたアストロサイト特異的遺伝子glial fibrillary acidic protein(GFAP)のプロモーター上のSTAT3結合配列を標的とし、メチル化頻度が高いマウス胎生11.5日由来神経上反細胞を用いて検討した。既に、定量的PCRにてメテル化に感受性があることを碓認しているICONプローブ技術を用いて、標的配列に相補的なプローブを作成した。プローブは、5'側をビオチン分子で標識した。定法に則って、ハイブリダイゼーションした後、オスミウム存在下で反応させプローブとメチル化標的配列との間にオスミウム塩による架橋を形成させた。ストレプトアビジンペルオキシダーゼによリプローブにペルオキシダーゼを結合させ、Tyramid-ビオチンにて周囲のタンパク質をビオチンラベルしプローブ検出感度の増加を図った。更に、ストレプトアビジンペルオキシダーゼを反応させた後に、tyramidとAlexa555色素の化合物を反応させ、プローブの蛍光色素ラベルを試みた。しかし、プローブの検出はできなかった。また、特異性と感度を増すためにLNA塩基を含み、二分子のビオチンで標識したプローブにても検出できなかった。この原因として、ビオチン標識の少なさが考えられたため、今後はプローブの標識法を改変するなどして検出の感度を上げてしく予定である。一方、アストロサイト分化に伴って脱メチル化遺伝子の網羅的解析にて同定された複数の債伝子を選出し、メチル化頻度の高い胎生11.5日および頻度の低い14.5日由来神経上皮細胞を用いて複数遺伝子間の会合を検討した結果、メチル化された状態で会合する頻度が高い遺伝子の組み合せが明らかになりつつある。今後この会合が核内のどの様な場で起こっているかを、上記のメチル化検出技術と組み合わせて詳細に検討したい。
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