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2009 年度 実績報告書

遺伝情報場へのフィードバックの同定

公募研究

研究領域遺伝情報収納・発現・継承の時空間場
研究課題/領域番号 21114515
研究機関岡山大学

研究代表者

守屋 央朗  岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 助教 (60500808)

キーワード遺伝子 / 蛋白質 / フィードバック
研究概要

温度やpHなど細胞外環境の変化や、変異、転写・翻訳過程のゆらぎは、核のDNAにコードされた遺伝情報が正確に機能(蛋白質)に結びつく事を妨害する。これを防ぐにため、細胞システムには、機能から情報へのフィードバックが多数存在していると考えられる。私たちが独自に開発した、「遺伝子綱引き(gTOW)法」は、遺伝子のコピー数を上げて、細胞システムの特定の要素を過剰にドライブさせることができる。このとき、遺伝子のコピー数と蛋白質の発現量の間に相関がないとすれば、核の情報の揺らぎが蛋白質の発現量に影響を与えないようにするフィードバックが、遺伝子発現のシステムに存在している事を示している。そこで、本研究では、酵母の細胞周期関連遺伝子について、gTOWによって遺伝子のコピー数を上げた時に、蛋白質の量にどのように反映されるかを調べ、フィードバックをシステマティックに同定し、その分子機構を明らかにする。最終的には、細胞周期の遺伝子発現制御に組み込まれたフィードバック機構の全容を解明し、その情報を数理モデルへと統合する。
上記の目的のためには、遺伝子のコピー数が上がった時にそれが蛋白質量にどの程度反映するかを効率よく調べる実験系が必要となる。そのため、本年度はまず分裂酵母内で効率よく遺伝子の改変を行なうことができる実験系の開発を行なった。この結果、分裂酵母内でGap-Rpair法によって効率の良い遺伝子改変法を開発することができ、学会発表、ならびに論文発表を行なった。さらにこのGap-Repair法を用いて約30の分裂酵母の細胞周期関連遺伝子をgTOW用プラスミドにクローニングし、コピー数の上限をはかるとともに、これらほとんどの遺伝子について蛋白質検出用のタグを組み込んだプラスミドの構築に成功した。今後このプラスミドを用いて定量的なウエスタンブロッティングを行なうことで、細胞周期に見られるフィードバックの同定を進める予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Plasmid construction using recombination activity in the fission yeast Schizosaccharomyces pombe.2010

    • 著者名/発表者名
      Ayako Chino, Kenji Watanabe, Hisao Moriya
    • 雑誌名

      PLoS One 5

    • 査読あり
  • [学会発表] In vivo robustness analysis of the yest cell cycle2010

    • 著者名/発表者名
      守屋央朗
    • 学会等名
      The 13th US-Japan Cellular and Gene Therapy Conference on Systems Biology in Cell Cycle Regultion
    • 発表場所
      Besesda/USA
    • 年月日
      2010-02-25
  • [学会発表] 細胞システムのロバストネスを測る~酵母をモデル系として~2010

    • 著者名/発表者名
      守屋央朗
    • 学会等名
      明治大学グローバルCOE研究会
    • 発表場所
      神奈川県川崎市
    • 年月日
      2010-01-29
  • [学会発表] 分裂酵母で相同組換えを利用した遺伝子クローニング(GCR)は実用に耐えるか?2009

    • 著者名/発表者名
      茅野文子・守屋央朗
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      2009-12-10
  • [学会発表] IN VIVO ROBUSTNESS ANALYSIS OF THE FISSION YEAST CELL CYCLE SYSTEM2009

    • 著者名/発表者名
      Ayako Chino, Hisao Moriya
    • 学会等名
      The 5th International Fission Yeast Meeting
    • 発表場所
      東京都渋谷区
    • 年月日
      2009-10-28
  • [学会発表] 細胞システムのロバストネス解析 ~酵母細胞をモデル系として~2009

    • 著者名/発表者名
      守屋央朗
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      兵庫県神戸市
    • 年月日
      2009-10-15
  • [備考]

    • URL

      http://tenure5.vb1.okayama-u.ac.jp/Hmlab/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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