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2009 年度 実績報告書

染色体間ドメインの制御と核形態の定量的解析

公募研究

研究領域遺伝情報収納・発現・継承の時空間場
研究課題/領域番号 21114518
研究機関熊本大学

研究代表者

斉藤 典子  熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (40398235)

キーワード細胞核内構造体 / RanBP2 / エピジェネティクス / 核スペックル / 選択的スプライシング / 組織幹細胞 / ヒストン修飾 / SRタンパク
研究概要

細胞核はゲノムの微小環境を形成、変換することにより遺伝子発現を制御する、高次エピジェネティクスメカニズムのひとつである。本研究は、細胞核内構造の形態、機能と形成メカニズムを解明することにより、遺伝子の発現制御における細胞核の意義を理解することを目的としている。
(テーマ1) 核内構造体の形成機構と機能の解明
部分的siRNAスクリーニングによりRan-RanBP2の核-細胞質輸送システムが、核スペックル構成因子であるSRタンパク質群のG1期における核内斑状様の分布に関わることを見出した。また、この過程がSRタンパク質の細胞周期に特異的なリン酸化の制御下にあることを見出した。さらに、スプライシング因子であるSRタンパク質の正常な核内分布が、選択的スプライシングに重要であることを明らかにした。核内構造体の構築、さらには遺伝子の発現が核-細胞質輸送システムにより制御される、新たな概念を創出した。
(テーマ2) 遺伝子の核内における空間配置機構の解明
乳癌の発生・増殖に女性ホルモンのエストロゲンおよびエストロゲン受容体が重要な働きをしている。乳癌組織においてエストロゲン受容体遺伝子(ESR1)が遺伝子増幅様の特殊な形態を示す場合がある。本研究では乳癌由来細胞を用いて、3次元DNA/RNA蛍光in situハイブリダイゼーション(3D-FISH)により、ESR1遺伝子の構築の変動と細胞核内における局在の相関関係の解明を行った。
(テーマ3) 核構造形態変化の定量・計測およびイメージインフォーマティクスの確立
細胞イメージのハイコンテント解析装置を用いて、細胞核内構造体および染色体の形態を定量化解析を行い、核スペックル、核膜、カハールボデイーを自動認識、定量するためのプログラムソフトウエアを確立し、組織、細胞画像に適用した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Simian virus 40 large T antigen targets the microtubule-stabilizing protein TACC22009

    • 著者名/発表者名
      Tei, S.
    • 雑誌名

      J.Cell Sci. 122

      ページ: 31090-3198

    • 査読あり
  • [雑誌論文] MCAF1/AM is involved in Spl-mediated maintenance of cancer-associated telomerase activity2009

    • 著者名/発表者名
      Liu, L
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem 284

      ページ: 5165-5174

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 組織幹細胞におけるエピジェネティックな制御機構2009

    • 著者名/発表者名
      徳永和明
    • 雑誌名

      最新医学 64

      ページ: 52-63

  • [雑誌論文] 核異型の背景にあるエピジェネティクスのダイナミズム2009

    • 著者名/発表者名
      斉藤典子
    • 雑誌名

      病理と臨床 27

      ページ: 653-658

  • [学会発表] 細胞核形態の定量解析の試み2010

    • 著者名/発表者名
      斉藤典子
    • 学会等名
      定量生物学学会 第二回年会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2010-01-09
  • [学会発表] 遺伝子の発現制御に関わる染色体間ドメインの形成機序2009

    • 著者名/発表者名
      斉藤典子
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会 ワークショップ
    • 発表場所
      横浜パミフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-10
  • [学会発表] Nuclear architecture involved in gene expression2009

    • 著者名/発表者名
      Saitohm N.
    • 学会等名
      The Kumamoto University Global COE International Joint Symposium
    • 発表場所
      熊本空白空ホテル熊本ニュースカイ
    • 年月日
      2009-11-26
  • [学会発表] Nuclear architectures involved in gene expression and RNA regulation2009

    • 著者名/発表者名
      Saitoh, N.
    • 学会等名
      The 24^<th> Naito Conference on Nucelar Dynamics and RNA [II]
    • 発表場所
      北海道ミャトレーゼガトーキングダムサッポロ
    • 年月日
      2009-06-24
  • [産業財産権] 細胞核を構成する構造体の解析方法、及び細胞核の形態の解析方法2009

    • 発明者名
      村瀬八重子
    • 権利者名
      オリンパス株式会社国立大学法人熊本大学
    • 産業財産権番号
      特許、特願2009-223587
    • 出願年月日
      2009-09-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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