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2009 年度 実績報告書

ショウジョウバエをモデルとする報酬記憶の分子行動学

公募研究

研究領域神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学
研究課題/領域番号 21115503
研究機関筑波大学

研究代表者

古久保 克男  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (00272154)

キーワードショウジョウバェ / 脳 / 幼虫 / 学習・記憶 / 遺伝子 / 神経回路 / 触角葉 / キノロ体
研究概要

学習・記憶を担う遺伝子と神経回路の解析は、分子行動学の重要な問題である。本課題は、ショウジョウバエをモデルとする報酬学習を制御する遺伝子の体系的な解析を行うと共に、申請者が開発した幼虫を使用した嗅覚連合学習パラダイムを使用し、幼虫の報酬記憶における遺伝子機能の検定と神経回路の解析を行う。これにより、遺伝子のみならず、遺伝子・神経回路・行動の多段階の分子行動学的解析を推進する事を目的としている。我々は、これまでにショウジョウバエ全ゲノムを網羅するマイクロアレーを用いた発現遺伝子の同定を行い、多数のキノコ体発現遺伝子を同定してきた。これらの候補発現遺伝子のなかで、RNAiによる遺伝子抑制効果が確認された系統について、キノコ体における特異的発現誘導が可能なGeneSwitch発現系を採用し、GAL4/UAS発現誘導システムによりキノコ体特異的な遺伝子機能の抑制を行った。これにより短期学習は抑制しないものの、長期学習を抑制する複数の遺伝子を同定した。一方、従来の幼虫を用いた実験パラダイムでは、条件付けの前後のおける洗浄等の多くの操作ステップを含む事から、幼虫の取り扱いに習熟するために時間を要していた。また、これらの実験操作に由来すると思われる嗅覚反応係数の測定誤差がしばしが大きな問題であった。これらの問題点を克服する新たな実験系の構築を目的として、ショ糖報酬刺激を介在するオクトパミン神経細胞で温度感受性チャネルTrpA1を発現させるコンストラクトTdc2-TrpA1を作製した。また、匂い刺激を光照射に置換するために、光感受性イオンチャネルChR2を様々な嗅受容体遺伝子発現プロモーターに接続したコンストラクトOr-ChR2を作成した。現在これらのコンストラクをショウジョウバエに導入し、行動解析のために遺伝学的背景を統一した系統の構築を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Brain patterning defects caused by mutations of the twin of eyeless gene in Drosophila melanogaster2009

    • 著者名/発表者名
      Furukubo-Tokunaga, K.
    • 雑誌名

      Fly 3

      ページ: 263-269

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Modeling schizophrenia in flies2009

    • 著者名/発表者名
      Furukubo-Tokunaga, K.
    • 雑誌名

      Progress in Bran Research 179

      ページ: 107-115

    • 査読あり
  • [学会発表] Unc-51/Atg1 Kinase Regulates Kinesin-1 Dependent Axonal Transport and Polarized Axonal Targeting of Diverse Neural Molecules in Drosophila2009

    • 著者名/発表者名
      Mochizuki, H.
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor Meeting "Neurobiology of Drosophila"
    • 発表場所
      Cold Spring Harbor, New York, U.S.A.
    • 年月日
      2009-10-01
  • [学会発表] Modeling Schizophrenia in Flies : Direct Expression of a Schizophrenia Susceptibility Gene, DISC1, Impairs Arousal and Associative Learning in Drosophila2009

    • 著者名/発表者名
      Ando, T.
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor Meeting "Neurobiology of Drosophila
    • 発表場所
      Cold Spring Harbor, New York, U.S.A.
    • 年月日
      2009-09-30
  • [備考]

    • URL

      http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~tokunaga/welcome.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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