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2010 年度 実績報告書

ショウジョウバエをモデルとする報酬記憶の分子行動学

公募研究

研究領域神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学
研究課題/領域番号 21115503
研究機関筑波大学

研究代表者

古久保 克男 (徳永 克男)  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00272154)

キーワードショウジョウバエ / 脳 / 幼虫 / 学習・記憶 / 遺伝子 / 神経回路 / 触角葉 / キノコ体
研究概要

我々は、これまでにショウジョウバエ幼虫を使用した嗅覚連合学習パラダイムを確立し、キニーネ罰学習では最長20分の短期記憶しか形成されないが、ショ糖報酬学習では2時間にわたり維持されるCREB依存性中期記憶が生成されることを明らかにし、条件刺激と非条件刺激を統合する神経回路の違いが記憶の安定度の違いを生み出す主要な基盤である事を提唱してきた。この仮説を検定するために、嗅覚受容体遺伝子プロモーター調節下でチャネルロドプシン(ChR2)を発現させ、匂い刺激を青色光刺激に置きかえるさまざまなショウジョウバエ系統(Or82a-ChR2,Or42b-ChR2,Or47a-ChR2,Or24a-ChR2,Or83b-ChR2)を作製した。さらに、ショ糖報酬刺激を温度刺激に置きかえるために、オクトパミン神経特異的なTDC2遺伝子のプロモーター調節下で温度依存性チャネルdTrpA1を発現させる系統(TDC2-dTrpA1)を作製した。また、キニーネ罰刺激を温度刺激に置きかえるために、ドーパミン神経特異的なTH遺伝子プロモーター調節下で温度依存性チャネルdTrpA1を発現させる系統(TH-dTrpA1)を作製した。少なくとも5回の戻し交配によりこれらの系統の遺伝学的背景を標準化した後に、構築した系統の掛合わせにより様々なOr-ChR2とTDC2-dTrpA1またはTH-dTrpA1の両者を持つショウジョウバエを構築した。幼虫行動解析により、構築した系統は青色光または温度刺激により誘引される事を明らかにし、これらの人為的神経刺激が外部刺激を期待どおりに置換する事を確認した。さらに、1)温度刺激と青色光、2)青色光のみ、3)温度刺激のみの条件付けをおこない、人為的刺激による連合学習の効果検討を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Unc-51/ATG1 Controls Axonal and Dendritic Development via Kinesin-Mediated Vesicle Transport in the Drosophila Brain2011

    • 著者名/発表者名
      Mochizuki, H.
    • 雑誌名

      PloS ONE

      巻: 6(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Expression of DISC1 impairs associative learning and axonal development in Drosophila.2010

    • 著者名/発表者名
      Ando, M.
    • 学会等名
      Society for Neuroscience 40th Annual Meeting
    • 発表場所
      米国・サンジエゴ
    • 年月日
      2010-11-17
  • [学会発表] Direct expression of DISC1 alters sleep homeostasis and impairs associative learning and axonal branching in Drosophila2010

    • 著者名/発表者名
      Furukubo-Tokunaga, K.
    • 学会等名
      John McIntyre Conference"DISC1 2010"
    • 発表場所
      英国・エジンバラ
    • 年月日
      2010-09-04
  • [学会発表] UNC-51/ATG1 controls dendritic and axonal development via kinesin-mediated transport in the Drosophila brain.2010

    • 著者名/発表者名
      Furukubo-Tokunaga, K.
    • 学会等名
      Bangalore Maggot Meeting : Neural Circuits to Behavior
    • 発表場所
      インド・バンガロール
    • 年月日
      2010-07-26
  • [図書] Development of memory centers in the Drosophila brain.2011

    • 著者名/発表者名
      Furukubo-Tokunaga, K.
    • 出版者
      World Scientific, London, U.K.(in press)
  • [備考]

    • URL

      http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~tokunaga/welcome.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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