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2010 年度 実績報告書

ゼブラフィッシュの覚醒・睡眠の分子機構に関する研究

公募研究

研究領域神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学
研究課題/領域番号 21115504
研究機関埼玉大学

研究代表者

中井 淳一  埼玉大学, 脳科学融合研究センター, 教授 (80237198)

キーワード脳・神経 / 行動 / 生理学 / 神経科学
研究概要

多くの動物は眠るが、睡眠の分子メカニズムはまだ良くわかっていない。この状況は、Hypocretin/Orexin(Hcrt)とその受容体が発見され大きく進展した。本研究は、ゼブラフィッシュを用いて動物の睡眠と覚醒の分子機構を明らかにすることを目的としている。そこで蛍光カルシウムプローブG-CaMPを神経細胞に発現させ神経細胞の機能とゼブラフィッシュの行動との関係を探ることを計画した。本研究において蛍光カルシウムプローブG-CaMP2を改良したG-CaMP-HSを新たに開発した。G-CaMP-HSはG-CaMP2と比較して高感度であるとともに、細胞内でのタンパク質の安定性が増しており、安静時の蛍光強度が高いという特徴を持つ。これに関連して、蛍光カルシウムプローブの性能向上に関する特許を申請した。次にG-CaMP-HSをGal4-UASの下流につないだコンストラクトを作成し、ゼブラフィッシュに導入することにより遺伝子改変ゼブラフィッシュを作成した。このゼブラフィッシュと運動ニューロン(Caudal primary neuron : CaPニューロン)にGal4を発現するゼブラフィッシュ(SAIGFF213A)とを掛け合わせることによりCaPニューロンにG-CaMP-HSを発現するゼブラフィッシュを作成した。CaPニューロンの活動をイメージングにより解析したところ、CaPニューロンのバースト発火に伴い、G-CaMP-HSの蛍光強度が変化することが観察された。この成果はProc Natl Acad Sci USAに報告した。ゼブラフィッシュの神経細胞からG-CaMP-HSを用いて神経活動をイメージングにて解析することが可能となったことにより、今後HcrtニューロンにG-CaMP-HSを発現させ解析することにより睡眠覚醒のメカニズムの解明が進むと考えられる。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Genetic visualization with an improved GCaMP reveals spatiotemporal activation of the spinal motor neurons in zebrafish2011

    • 著者名/発表者名
      Muto A, Ohkura M, Kotani T, Higashijima S-I, Nakai J, Kawakami K
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA

      巻: 108 ページ: 5425-5430

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Derived (mutated)-types of TRPV6 channels elicit greater Ca^<2+> influx into the cells than ancestral-types of TRPV6 : Evidence from Xenopus oocytes and mammalian cell expression system2010

    • 著者名/発表者名
      Sudo Y, Matsuo K, Tetsuo T, Tsutsumi S, Ohkura M, Nakai J, Uezono Y
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci

      巻: 114 ページ: 281-291

    • 査読あり
  • [学会発表] GCaMP型改良カルシウムプローブ蛋白質を用いたXenopus胚発生時のカルシウム動態の可視化2011

    • 著者名/発表者名
      大倉正道, 進藤麻子, 原佑介, 山本隆正, 上野直人, 中井淳一
    • 学会等名
      第84回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      2011-03-24
  • [学会発表] G-CaMPを用いた線虫体壁筋のin vivoカルシウムイメージング2011

    • 著者名/発表者名
      中井淳一, 安藤恵子, 宇佐美篤, 大倉正道, 池谷裕二, 松木則夫
    • 学会等名
      第84回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      2011-03-24
  • [学会発表] In vivo Imaging with Genetically-encoded Ca^<2+> Sensors2010

    • 著者名/発表者名
      Nakai J
    • 学会等名
      Horizons In Calcium Signaling
    • 発表場所
      Beijing, China
    • 年月日
      2010-10-12
  • [学会発表] 新規蛍光Ca^<2+>センサーG-CaMP4を用いた生体Ca^<2+>の画像化2010

    • 著者名/発表者名
      宇佐美篤, 安藤恵子, 大倉正道, 池谷裕二, 中井淳一, 松木則夫
    • 学会等名
      次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2010
    • 発表場所
      京都大学(京都)
    • 年月日
      2010-09-11
  • [学会発表] G-CaMPによるin vivo calcium imaging2010

    • 著者名/発表者名
      中井淳一
    • 学会等名
      平成22年度生理学研究所研究会「神経活動の光操作(行動制御への応用)」
    • 発表場所
      生理学研究所(愛知)
    • 年月日
      2010-09-09
  • [学会発表] Brain Imaging with Improved GCaMPs in Zebrafish2010

    • 著者名/発表者名
      Muto A, Nakai J, Kawakami K
    • 学会等名
      Neuro 2010
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫)
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] In vivo or in vitro imaging of calcium dynamics with genetically encoded sensor G-CaMP42010

    • 著者名/発表者名
      Usami A, Gengyo-Ando K, Ohkura M, Matsuki N, Ikegaya Y, Nakai J
    • 学会等名
      Neuro 2010
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫)
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] GFPを用いたカルシウムセンサーによる細胞活動の可視化2010

    • 著者名/発表者名
      中井淳一
    • 学会等名
      病態解明から治療開発に向けたバイオイメージング研究シンポジウム
    • 発表場所
      自治医科大学(栃木)
    • 年月日
      2010-06-04
  • [学会発表] 小脳バーグマングリア細胞間を伝わるカルシウム波2010

    • 著者名/発表者名
      中井淳一
    • 学会等名
      第7回GPCR研究会
    • 発表場所
      科学未来館(東京)
    • 年月日
      2010-05-08
  • [産業財産権] 特定部位のアミノ酸を置換した緑色蛍光蛋白質またはそのホモログを用いたカルシウムセンサー蛋白質2010

    • 発明者名
      大倉正道, 中井淳一
    • 権利者名
      埼玉大学
    • 産業財産権番号
      特許、特願2010-232788
    • 出願年月日
      2010-10-15

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公開日: 2012-07-19  

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