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2009 年度 実績報告書

膜電位の高精細in vivoマッピングに向けた基盤技術開発

公募研究

研究領域神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学
研究課題/領域番号 21115510
研究機関大阪大学

研究代表者

筒井 秀和  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30392038)

キーワード細胞膜 / 蛍光蛋白質
研究概要

神経細胞は互いに複雑な回路を構成し、情報の保持や処理等を行い、動物の知的で多様な行動の基礎となっている。そこで行われる高度に並列化され、分散的な処理様式の解明は、現代科学の究極の対象の一つである。この点において、細胞膜電位の信頼性の高い時空間測定法を確立することは、現在の神経生理学の重要な課題となっている。申請者らは、ホヤゲノムから新しく発見された電位センサーをもつ酵素蛋白質であるVSP(voltage sensitive phosphatase)、及び独自にクローニングした新規蛍光蛋白質を巧みに組み合わせ、従来にない優れた性能を持つFRET(蛍光エネルギー移動)型の膜電位プローブを開発し、哺乳類神経細胞において単一発火のイメージングなどに成功してきた。In vivoでの計測には、プローブのさらなるチューニングや、計測ノウハウの蓄積が必須である。膜電位プローブを心筋特異的に発現するトランスジェニックゼブラフィッシュを作製し、心臓における膜電位ダイナミクスを無拘束下でin vivo計測を行うことに成功した。この手法を用い、過去に抗ヒスタミン剤として医薬品市場で実際に使われ、その後、心毒性の可能性により市場撤退した化合物(アステミゾール)の、ゼブラフィッシュ心臓の興奮伝導における効果について解析した。さらに、生理学的なレンジの膜電位には応答しない変異体を開発し、それを発現するトランスジェニックラインも作製した。これにより、モーションアーティファクト等のノイズ成分を見積もることが可能となった。このような計測法は、化合物や遺伝子発現による心臓電気特性への摂動を大規にアッセイするための基盤技術となりうる。また、それと平行して、光安定性や、キネティクスに優れたバリアントの開発を続けている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The E1 mechanism in photo-induced beta-elimination reactions for green-to-red conversion of fluorescent proteins2009

    • 著者名/発表者名
      Tsutsui, Shimizu, Mizuno, Nukina, Furuta, Miyawaki.
    • 雑誌名

      Chemistry and Biology 16

      ページ: 1140-1147

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diffusion of large molecules into assembling nuclei revealed using an optical highlighting technique2009

    • 著者名/発表者名
      Shimozono, Tsutsui, Miyawaki
    • 雑誌名

      Biophysical Journal 97

      ページ: 1288-1294

    • 査読あり
  • [学会発表] FRET sensing of membrane voltage2009

    • 著者名/発表者名
      Tsutsui
    • 学会等名
      HHMI Janelia Farm Voltage Imaging Workshop
    • 発表場所
      Ashburn, VA, USA
    • 年月日
      2009-11-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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