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2009 年度 実績報告書

群体ホヤにおける配偶子幹細胞制御機構の解明

公募研究

研究領域配偶子幹細胞制御機構
研究課題/領域番号 21116507
研究機関高知大学

研究代表者

砂長 毅  高知大学, 教育研究部・自然科学系, 助教 (20448393)

キーワード発生 / 配偶子幹細胞 / 遺伝子 / ホヤ / 生殖細胞
研究概要

群体ホヤは無性生殖で増殖する。ミダレキクイタボヤという群体ホヤでは,無性生殖により生まれた個体の寿命は2週間程度である。有性生殖期には,生殖腺を形成し配偶子が形成される。群体ホヤはどのようにして,繰り返される無性世代に絶え間なく生殖細胞を供給しているのだろうか?本研究の目的は,群体ホヤをモデルとし,配偶子幹細胞(GSC)とGSCの維持・分化に関わる生体内環境(ニッチ)を制御する分子メカニズムを明かにすることである。まず,遺伝子発現からGSCの特徴づけを行った。その結果,Piwi遺伝子を発現する間充織細胞が,生体内における最も未分化な生殖系列細胞の候補として得られた。この間充織細胞の形態は,ヘモブラストと名付けられている未分化細胞と同じであった。PiwiをsiRNAによってノックダウンし,Piwi陽性のヘモブラストの機能阻害を試みたところ,配偶子形成がおこらなくなった。また,群体ホヤの生殖細胞は,Vasa遺伝子を発現することが知られていたが,Piwi陽性のヘモブラストはVasaを発現していなかった。これらのことから,ミダレキクイタボヤでは,3つの遺伝子の発現を指標として,Piwi+/Vasa-/Nanos+のヘモブラストがGSCとして機能していることが示唆された。第二として,GSCからの配偶子分化を制御するメカニズムとしてBMPシグナル経路に注目した。BMPをはじめ,シグナル経路を構成する分子をコードする遺伝子の単離と発現を調べた。その結果,BMPシグナルの細胞内伝達因子であるSmad1/5の単離に成功した。Smad1/5は卵母細胞で弱い発現が見られたが,GSCでの発現については結論が得られておらず,引き続き解析を行う。さらに,22年度においては,PiwiおよびVasaの転写を調節する分子メカニズムを調べることで,GSCとニッチ間のインタラクションを明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Hemoblasts in colonial tunicates : Are they stem cells or tissue-restricted progenitor cells2010

    • 著者名/発表者名
      Kaz Kawamura
    • 雑誌名

      Development Growth and Differentiation 52

      ページ: 69-76

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Piwi-expressing hemoblasts serve as germline stem cells during postembryonic germ cell specification in colonial ascidian, Botryllus primigenus2010

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Sunanaga
    • 雑誌名

      Development Growth and Differentiation 巻数未定(掲載確定)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Expression and function of a Pumilio gene in the colonial ascidian, Botryllus primigenus2009

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Sunanaga
    • 学会等名
      日本発生生物学会42回大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ(新潟市)
    • 年月日
      2009-05-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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