公募研究
本研究では、生体における「Keap1攻撃ストレス」の時空間的分布を明らかにし、個々のKeap1攻撃ストレスがもたらす素反応が、個体という統合されたシステムにおいてどのように位置づけられるのかを明らかにする。そして、Keap1によるセンシング機構の観点から、様々な病態に伴うストレスの実体を類型化して理解する。さらに、個体の発生・分化過程や個体全体としての恒常性維持過程におけるKeap1-Nrf2制御系の貢献を明らかにすることを目的とする。平成21年度は、Neh2-tdTOMATOレポーターマウスを作製した。同マウスは、親電子性物質やLPSの投与により、細胞にtdTOMATOの赤色蛍光蛋白質が蓄積する。とくに、顆粒球系細胞においてその蓄積が顕著であった。また、Nrf2の遺伝子発現をモニタリングするために、Nrf2遺伝子領域を含む約200kbpのBACクローンを用いて、tdTOMATOレポーターマウスを作成した。同マウスでは、リンパ球以外り細胞系列でのNrf2の発現を定量的によくモニタリングできることがわかった。特に、骨髄前駆細胞において、Nrf2の発現が高いことがわかった。また、巨核球分化におけるNrf2の役割として、細胞殖を促進し、かつ、生体防御系遺伝子の発現を促進することで細胞内ROSの蓄積を抑制し、巨核球の過成熟を防いでいることがわかった。さらに、低線量の放射線照射によりNrf2が安定化することを見いだした。
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