研究領域 | 活性酸素のシグナル伝達機能 |
研究課題/領域番号 |
21117511
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
康 東天 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80214716)
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研究分担者 |
内海 健 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (80253798)
神吉 智丈 九州大学, 大学病院, 助教 (50398088)
高崎 伸也 九州大学, 大学病院, 助教 (90435149)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / 遺伝子診断 / 活性酸素 / リボソーム / ミトコンドリア病 / 翻訳 |
研究概要 |
ミトコンドリアには独自のゲノムがあり、電子伝達系に関わる蛋白を13コードしている。ミトコンドリアDNA維持機構は厳重に調整されていることが考えられているがその分子機構は明らかでない。我々はミトコンドリアDNA維持に関るTFAMに注目しTFAMに結合する蛋白を免疫沈降法で多数同定してきた。このうちEEAL-1に着目しその機能解析を行った。本研究ではミトコンドリアDNA維持と翻訳に関わるERAL1の機能について研究した。(方法と結果)(1) ERAL-1は大腸菌からヒトまでよく保存された領域をもち細胞分画法によりミトコンドリアマトリックスに存在することを示した。さらに免疫組織染色法によりミトコンドリアに共局在することを確認した。(2) ERAL1に結合するRNA、蛋白を免疫沈降法で確認したところ、ERAL1はミトコンドリア12 SrRNAと結合することを見出し、さらにミトコンドリア翻訳因子と多数結合することを見出した。(3) sucrose gradientによるERAL1の局在はリボソーム小サブユニットと共局在していた。(4) ERAL1のミトコンドリアの機能を評価するためERAL1 siRNAをHeLa細胞に処理したところミトコンドリア膜電位の低下を観察した。さらにERAL1siRNAによりH_2DCFDAによりROSの産生増加を確認した。(6) ERAL1ノックダウンにより細胞はG2/M arrest,apoptosisを起こすことを見出した。(7) ERAL1さらに、TFAMに結合する種々の因子についても発現をノックダウンすることで細胞増殖停止を来たすことを見出している。これらの結果はERAL1はミトコンドリアリボソーム小サブユニットに結合し翻訳を制御することを示唆している。
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