研究概要 |
本研究は,自己顔認知は表情の動的特性と切り離せない関係があり,表情においても「動き」が本質的な特性であることに着目し,自己顔の動的表情に係る認知基盤を明らかにし,これらの基礎的な知見を化粧法・人支援技術に応用することで,化粧法・工学的応用の高度化を目指すものである.各個別課題について研究を推進し,成果を得た. ・顔表面の動態解析と生体電位信号計測:「デジタルフェイス」として,顔面の筋骨格系モデルに基づき,生体電位信号及び皮筋の物理シミュレーションの基盤技術の開発を行った.特に,形態変化の3次元的計測及びシミュレーション実験を行った. ・自己顔認知の神経基盤の理解:協力研究者と連携し,化粧顔の自己顔認知に関する検討を行った.自己顔における静止・動的表情の比較を行うことで,動的表情の認知活動に関するfMRI実験を実施している.これは,笑顔に関する動態解析,心理計測,及び脳機能画像取得を行う実験を開始した.被験者15名に対し現在も継続して実験を行っている. ・動的表情の認識:認識アルゴリズムの開発,及び被験者実験を通じて生体電位信号の計測に基づく表情推定技術の精度向上に関する研究を実施した.これにより,笑顔だけでなく,中性顔・渋顔の識別精度の向上に大きく寄与している.
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