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2009 年度 実績報告書

ヒト以外の霊長類における顔知覚様式の比較発達学的分析

公募研究

研究領域学際的研究による顔認知メカニズムの解明
研究課題/領域番号 21119512
研究機関京都大学

研究代表者

足立 幾磨  京都大学, 霊長類研究所, 助教 (80543214)

キーワード顔知覚 / 2次的関係特性 / 知覚的狭小化 / 比較認知科学 / 比較発達学
研究概要

顔は、われわれヒトにとって相手の識別、他者の裾視線・意図、感情等の認識を支える非常に重要な社会的刺激である。ヒトは、このような顔に対し、その目鼻口の相対的な位置関係に鋭い感受性を持ち、何千もの顔を区別することが可能であることが示されている。このヒトの顔知覚様式の進化を考えるうえで、ヒトとヒト以外の霊長類種における顔知覚様式の異同を検討することが必要不可欠である。そこで本研究では、ヒトの顔知覚様式の進化的側面を分析するため、ヒト以外の霊長類、特にチンパンジーおよびマカク類を対象に彼らの顔認知能力を研究している。21年度は、サッチャー錯視に注目し、特にニホンザル乳児を対象に、彼らの顔知覚様式の発達的な変化を分析してきた。ヒトとニホンザルの顔写真を刺激に用い、通常顔に馴化させたのち、テスト刺激としてサッチャー顔化した刺激を呈示する。また、生得的な要因と、経験の効果を分析するため、同種にのみ接触経験豊富な放飼場群と、ヒトに対しても接触経験が豊富な個別飼育群を被験体に用い、比較をおこなっている。これまでのところ、被験体数に限りがあるため、これらの要因の効果を結論付けるだけの充分な結果は得られていないが、同様の分析を続けていくことで、22年度中にはある一定の結論が得られると期待される。また、21年度中は国内各地で飼育されているチンパンジーの顔写真を収集し、弁別訓練及びアイトラッキングを用いた実験を推進するための準備を進めてきた。22年度はこれらの刺激を用いて、チンパンジーの顔知覚様式についても分析を進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Rhesus monkeys (Macaca mulatta) rapidly learn to select dominant individuals in videos of artificial social interactions between2010

    • 著者名/発表者名
      Paxton R, Basile BM, Adachi I, Suzuki WA, Wilson ME, Hampton RR
    • 雑誌名

      Journal of Comparative Psychology (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Thatcher effect in monkeys demonstrates conservation of face perception across primates2009

    • 著者名/発表者名
      Adachi I, Chou DP, Hampton RR
    • 雑誌名

      Current Biology 19

      ページ: 1270-1273

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 霊長類はどのように顔を見分けていますか2009

    • 著者名/発表者名
      足立幾磨
    • 雑誌名

      新しい霊長類学

      ページ: 201-205

  • [学会発表] Auditory-visual Cross-modal Representations of Familiar Conspecifics in Rhesus Macaques2009

    • 著者名/発表者名
      Adachi I
    • 学会等名
      The 3rd International Congress on the Future of Animal Research
    • 発表場所
      Nakhon Pathom, Thailand
    • 年月日
      2009-11-19

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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