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2010 年度 実績報告書

顔表情が行動出力に及ぼす影響に関する認知神経科学的検討

公募研究

研究領域学際的研究による顔認知メカニズムの解明
研究課題/領域番号 21119514
研究機関京都大学

研究代表者

野村 理朗  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (60399011)

キーワード顔認知 / 運動制御 / 感情制御 / セロトニン神経系遺伝子多型 / 前頭前野腹外側部 / 共感性
研究概要

顔表情は、知覚者の感情を喚起し、その行動出力を方向づける。これまでに他者表情により生ずる非意識的な模倣の中枢神経系基盤について多くの検討が行われ、扁桃体、島、腹側運動前野、下頭頂小葉などの脳領域の関与が明らかとなってきた(e.g., Kimberly et al., 2008)。その一方で、顔表情が行動出力一般に及ぼす影響については、その脳内機序の詳細とともに不明な点が多い。本申請者は、これまでに顔表情の認知メカニズムの解明を目的として、機能的核磁気共鳴脳画像法(fMRI)、事象関連電位測定、及び近赤外線分光法(NIRS)による検討を行い、顔表情の非意識的・意識的な処理過程における扁桃体、前頭前野腹外側部(VLPFC)などの関与を明らかにしてきた。本研究は、運動反応の発現と制御メカニズムの脳内機構について、大脳基底核、前頭前野腹外側部などの領域の関与、およびそれらの活動の個人差を生ずるセロトニン神経遺伝子多型(gene polymorphism)の関与を示したこれまでの研究成果を融合、発展させ検討したものである。実験では怒り表情の認知プロセスが行動反応に及ぼす影響について、セロトニン・トランスポーター遺伝子多型に注目し、(1)怒り表情によって導かれる接近・回避の行動は、BIS/BAS、およびセロトニン・トランスポーター遺伝子の個人特性において予測可能であること、(2)そうした個人差はVLPFCの機能により調整されることを明らかにした。さらに、(3)VLPFCによって起動される、知覚される人物との関係性、視点取得能力の個人差に応じた共感性のメカニズムも明らかとなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Perspective taking associated with social relationships : A NIRS study2010

    • 著者名/発表者名
      Nomura, Y., Ogawa, T., Nomura, M.
    • 雑誌名

      Neuroreport

      巻: 21 ページ: 1100-1105

    • 査読あり
  • [学会発表] 生体内外の環境がヒト情動・認知の制御機能に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      野村理朗
    • 学会等名
      ブレインサイエンス研究会
    • 発表場所
      北九州市学術研究都市(招待講演)
    • 年月日
      2010-12-11
  • [学会発表] 他者との関係性と回避への感受性が共感過程に及ぼす影響-NIRSを用いた検討2010

    • 著者名/発表者名
      野村裕子
    • 学会等名
      日本心理学会第74回大会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2010-09-20
  • [学会発表] COMT遺伝子多型は共感性の個人差を生むのか?-NIRSを用いた認知神経科学的検討-2010

    • 著者名/発表者名
      日道俊之
    • 学会等名
      日本心理学会第74回大会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2010-09-20
  • [図書] 「心理学研究法」学習・動機・情動 衝動性2011

    • 著者名/発表者名
      野村理朗
    • 出版者
      誠心書房(印刷中)
  • [図書] なぜアヒルロに惹かれるのか-顔の認知心理学-2010

    • 著者名/発表者名
      野村理朗
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      メディアファクトリー
  • [備考] 学会賞受賞: Nomura M.2010 JSNP Excellent Presentation Award for CINP 2010

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公開日: 2012-07-19  

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