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2009 年度 実績報告書

自閉症スペクトラム障害の顔認知機能への発達支援

公募研究

研究領域学際的研究による顔認知メカニズムの解明
研究課題/領域番号 21119516
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

山本 淳一  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60202389)

キーワード顔認知 / アイコンタクト / コミュニケーション / 初期社会コミュニケーション尺度 / 発達促進 / 要求機能 / 同期 / 自閉症スペクトラム障害
研究概要

自閉症スペクトラム障害児・者の顔認知の特徴として、目に注目することが難しい、視線の判断が困難である、顔を概念として捉えることが難しい、表情の弁別がつきにくい、表情と情動を結びつけることが困難であることが先行研究で示されてきている。本研究では、それらの社会的機能の獲得過程を、介入研究という手法を用いて明らかにすることが目的である。
平成21年度は、他者の顔を見る行動(アイコンタクト)と言語、認知、社会性との関連を詳細に分析するため、(1)機能や形態別に分けた共同注意と発達指標との関係を調べ、(2)コミュニケーションにおける視線の使用と言語発達との関係を分析した。自閉症児11名と定型発達児4名が研究に参加した。コミュニケーション評価として「初期社会コミュニケーション尺度(ESCS)」、言語社会性と認知適応の尺度として「新版K式発達検査」、社会生活尺度として「SM社会生活尺度」を用いた。その結果、自閉症群においては、言語社会性スコアが高いほど言語やその他の行動を含むコミュニケーション行動を行う際にアイコンタクトを同時に行う割合が低いという結果が得られた。定型発達群においては、言語社会性スコアに関係なくアイコンタクトの同期が見られた。これらの結果は、自閉症児の他者の顔を見る行動は、「要求」などの機能を持つコミュニケーションとして働きうることを示している。また自閉症児の他者の顔を見る行動は、定型発達児と異なり、言語行動などの他の行動と同期しないという特徴があることがわかった。これらの結果から、自閉症児の他者の顔認知の発達促進のためには「顔を見る行動」が強化される機能的条件を設定すること、他の行動と同時に指導するのではなく「顔を見る行動」を独立に指導することが重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 自閉症児の共同注意とコミュニケーション2010

    • 著者名/発表者名
      熊仁美・直井望・山本淳一
    • 雑誌名

      人間と社会の探究:慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要 68(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自閉症スペクトラム障害への早期支援と脳機能2009

    • 著者名/発表者名
      山本淳一
    • 雑誌名

      哲学 121

      ページ: 41-68

  • [学会発表] 自閉症児の社会的参照による語意学習2009

    • 著者名/発表者名
      熊仁美・直井望・菅佐原洋・山本淳一
    • 学会等名
      日本行動分析学会第27回年次大会
    • 発表場所
      筑波大学(つくば市)
    • 年月日
      2009-07-12
  • [学会発表] 自閉症児の言語発達支援2009

    • 著者名/発表者名
      山本淳一
    • 学会等名
      言語科学会第11回年次国際大会
    • 発表場所
      東京電機大学(埼玉県)
    • 年月日
      2009-07-04
  • [備考]

    • URL

      http://www.flet.keio.ac.jp/~yamamotj/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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