研究概要 |
人と擬人化エージェントとの円滑な発話交替の設計には,(1)人の観察からの発話志向態度である「話したい/聞きたい」ときの顔表情と仕草のモデル化,(2)エージェントの「話したい/聞きたい」の非言語表現の作成と主観的評価,(3)エージェントの「話したい/聞きたい」の非言語表現時の人の脳活動計測,(4)評価結果,脳計測結果からのモデルの再作成が必要である.(1)は,複数人会話のビデオ観察による発話交替の分析,および発話交替の分類である.(2)は,発話交替時における擬人化エージェントの動作表現の作成と評価である.本研究は,(2)主観的評価に加えて,(3)脳計測を用いることにより,非言語表現モデルを評価するものである.さらに(4)主観的評価と脳計測による評価を繰り返すことで,より詳細な表現モデルの構築する. 21年度では,上記(1)(2)について,擬人化エージェントによる発話志向態度である「話したい/聞きたい」の表現を作成した.アンケートによる主観的評価により,動作の特徴を考察し「発話志向態度モデル」を構築した.また,このモデルを用いた発話交替アバタをデザインし,仮想的な発話交替を再現させ,会話データおよび行動データを収集した.さらにデータの分析や考察を基に,動作の特徴を抽象的に表現することを試みた.作成した抽象的な発話志向態度の表現は,今後,機械による人の発話志向態度の認識,およびロボットや擬人化エージェントの表現などに幅広く応用可能である.今後,擬人化エージェントによる発話交替時の「話したい/聞きたい」の感情表現について基礎的な脳計測データを収集し考察する予定である.
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