公募研究
本研究では、東アジア広域越境汚染の下流域にあたる長崎県福江島において大気エアロゾル試料(PM_<2.5>)を採取し、燃焼生成炭素系物質であるブラックカーボン(以下、BC)の放射性炭素(^<14>C)分析を行い、バイオマス燃焼起源のBCの時間変動を明らかにすることである。これにより、BCの発生源として、化石燃料とバイオマス燃料の燃焼生成割合を算出することが可能である。今年度は、長崎県福江島において、エアロゾル試料(PM_<2.5>)を季節ごとにそれぞれ数週間程度の集中サンプリングを実施した。サンプリングは、アンダーセンローボリウムエアサンプラーを用い、1週間程度のサンプリングタームで^<14>C測定可能な量のBCを採集した。BCの分離は、試料中の炭酸塩を塩酸酸性条件化で除去した後、Air気流下で試料を加熱し375度で有機物を酸化・除去する方法を用いる方法について検討を行った。本手法でのBC分離の最大の障害は、有機物の熱分解除去の過程で、非燃焼由来(=生物由来)有機物の炭化の影響評価にある。このような「炭化」が起こると、「BC」画分の△^<14>C値は「混入」したバイオマス炭素の量に応じて高い値を示すことが予想されることが予想されるため、これらの影響を解除する方法についても検討を行った。またデータの時間分解能をあげるため、AMSによる放射性炭素分析で必要とされる試料量の微量化についてもあわせて検討を行った。
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Nucl.Instrum.Methods Phys.Res.B 268
ページ: 1073-1076
Nucl.Instrum.Methods Phys.Res., B 268
ページ: 1125-1128
ページ: 1120-1124