本研究では、八重山諸島石垣島を対象に、産業連関分析の手法を援用することによって、現島嶼民がサンゴ礁から獲得している経済的利潤の程度を明らかにする。また、他島・本島・本土との経済的ネットワークを踏まえたうえで、サンゴ礁を環境資源として活用した経済活動の効果を計量的に分析する。 H21年度では、本研究が計画研究B02班との連携をとりながら、八重山諸島石垣島を数回にわたって現地調査し、現地での観光資源としてのサンゴ礁についての維持管理状況を確認した。また石垣島嶼経済の歴史的変遷を把握するために『統計いしがき』を中心に石垣市の統計資料の収集にも努めた。さらに沖縄県産業連関表、沖縄県統計年鑑、工業統計表などを収集したうえで、石垣市在住の歴史研究家、石垣市役所観光課、石垣市観光協会、経済産業省の有識者、民間シンクタンクの有識者から協力を得た上で、『2005年石垣市産業連関表』の試作に成功し、同試作表を用いて石垣市島嶼経済の産業構造の特徴について計量的な分析をも試みた。一部の研究成果を「新学術領域研究」の全体会合で報告した。
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