研究領域 | 都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究 |
研究課題/領域番号 |
21H00007
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
吉村 武典 大東文化大学, 国際関係学部, 准教授 (70588772)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | カイロ / 水資源 / 水利用 / 水利慣行 / インフラ |
研究実績の概要 |
2021年度における本申請課題の進捗状況は、新型コロナ・ウィルス感染症の影響により研究計画で予定していた国内外の資料調査を実施することが困難となったためにやや進捗が遅れた。そのため2021年度内はこれまでに収集した資料の解析を優先して研究を進め、研究費補助金の一部は繰り越し申請を行い、2022年度に海外調査を延期することとした。 2021年度には事前に収集した、イスラーム都市カイロの水利、水施設に関わるマムルーク朝期からオスマン朝期の年代記、地誌、行政手引等の刊本史料、また水利施設の改修、修繕に関わるオスマン朝末期からムハンマド・アリー期初期の文書史料を整理、分析作業を行い、前者においてはカイロ市中に建設されたサビール・クッターブをはじめとする貯水、給水施設の建設が広く展開したとされる17世紀を中心とするオスマン朝期に加え、それ以前のマムルーク朝時代にもすでに市域各所に広く展開し、物件としては遺跡は存在しないが史料上からは確認でき、その建築様式や設置場所の多様性も確認できた。また後者においては、水利施設の改修、修繕に際しての予算申請を中心とした文書群から、行政手続き上の慣習の存在と一定の時期や予算額なども確認され、政府支出における水利施設の維持管理の慣例化が確認できるなどの知見が得られた。その他に2021年11月に地中海学会において研究報告を行い、繰り越しを行った研究費補助金による海外調査を2022年度8月に行い、関連史料の調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度はコロナ禍の影響により、国内資料調査および海外調査を実施することが困難であったため。2021年度内はこれまでに収集した資料の解析を優先して研究を進め、研究費補助金の一部は2022年度に繰り越しを行い、海外調査を延期した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度内の実施状況により史料分析が進んでいる。2022年度には、新型コロナ・ウィルス感染症への海外渡航条件の緩和が進めば、海外での現地調査を行い、分析内容の確認作業を行う。それを踏まえ、研究会、学会等での成果の発表、学術誌等での成果公開を進める。
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