公募研究
本公募研究ではMg-2Y-1Zn合金およびMg-9Y-6Zn合金(at.%)に対して、450℃でねじり押出を実施し、その変形組織と機械特性の関係を調査した。ねじり押出は、押出加工とねじり加工を組み合わせた塑性加工方法であり、材料に大きな相当ひずみ量と複数方位からの複雑な塑性ひずみを導入することができる。いずれの材料においても、ねじり変形によって硬度などの機械強度が増加していたが、その理由が異なっていた。Mg-2Y-1Zn合金では、ねじり変形によってほとんどのLPSO相内に大傾角なキンクが形成され、それを起点に再結晶が生じて、結晶粒微細化が起こり、引張変形において強度、延性ともに上昇した。一般的な押出では押出方向に伸長したLPSO相内にはキンクは形成されず、再結晶の起点にならないため、伸長LPSO相、微細再結晶粒、粗大未再結晶粒のマルチモーダルな組織となるが、ねじり変形を加えることで組織全体で再結晶を生じさせることが可能になった。一方で、Mg-9Y-6Zn合金では、450℃の加工でも再結晶せずにLPSO内に小傾角なキンクが無数に形成され、かつ三次元にねじれた組織を形成した。この組織は、圧縮変形においては、均一な分布でキンクが形成されることで座屈することなく大きな変形能を示すことが分かった。本研究では、用いた油圧式万能試験機の最大出力の関係で、ねじり押出時の荷重値にもリミットがかかってしまい、加工温度が450℃になってしまったが、より大きな油圧試験機を用いて350℃まで下げられれば、さらに高強度な材料となる可能性が示された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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MATERIALS TRANSACTIONS
巻: 64 ページ: 730~734
10.2320/matertrans.MT-MD2022018
Materials Science and Engineering: A
巻: 858 ページ: 144168~144168
10.1016/j.msea.2022.144168