研究領域 | 量子クラスターで読み解く物質の階層構造 |
研究課題/領域番号 |
21H00116
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 晋平 東北大学, 理学研究科, 助教 (30824453)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 量子少数多体問題 / 3体問題 / エフィモフ状態 / ハロー核 |
研究実績の概要 |
当初の予定では、2021年度は量子3体計算のモデル化や具体的なコードの開発、および計算の実行を行う予定であった。これらのうち大半は2021年度内に行うことができた。その一方で、理化学研究所の共同研究者らとの議論を行うことは出張等が新型コロナウィルスの影響で制限されていたため、最低限の議論等はリモートで行ったものの、詳細をつめる議論は困難であった。そのため、量子3体系のコード開発や数値計算を実行できる段階まで研究を進めることに関しては2021年度内に遂行し、具体的な原子核系のモデル化や具体的なパラメータ値の設定は2022年度に行うことに計画変更を行った。量子3体計算の計算コード開発はおおむね順調に進展し、計算が実行開始できる段階にまで進展した。次年度はこれを基に、具体的な原子核系における量子3体計算を遂行することを計画している。
また本研究を遂行する中において、申請者が本研究を含むこれまでの研究で会得している手法によって関連する量子少数多体研究を直ちに行うことができることを発見した。この研究は研究申請・開始時には予測し得なかった研究であるが、当初の研究計画にあるエフィモフ状態や量子3体・4体問題にも密接に関連する量子少数多体研究であり高いシナジー効果があるものと思われる。この新たな研究も当初の研究計画と併せて遂行し、論文の執筆・投稿や国内会議やワークショップにおいて研究成果の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は2021年度内に理化学研究所に数度出張を行い、共同研究者らとの議論を行うことを予定していた。しかし2021年度は出張等が新型コロナウィルスの影響で制限されていたため、最低限の内容の議論はリモート等で行ったものの、詳細までを詰めることは困難であった。そのため、量子3体系のコード開発や数値計算に関しては2021年度内に遂行し、具体的な原子核系のモデル化や具体的なパラメータ値の設定は2022年度に行うことに計画変更を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度に開発を行った量子3体系のコードを用いて、具体的な原子核の量子3体系の数値計算を行う。理化学研究所の共同研究者らと議論を行い、適切な原子核系やそのパラメータ値を設定し、その下で量子3体計算を行う。そしてそれらの系におけるエフィモフ状態やその性質を探る。
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