• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

排他的ドレルヤン反応を用いた核子構造研究のためのミューオン検出器の開発

公募研究

研究領域量子クラスターで読み解く物質の階層構造
研究課題/領域番号 21H00122
研究機関大阪大学

研究代表者

冨田 夏希  大阪大学, 核物理研究センター, 特任研究員 (80894592)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード核子構造 / RPC検出器 / 飛跡検出器 / タイミング検出器 / ミューオン検出器
研究実績の概要

核子の内部構造を探る鍵となる、排他的ドレルヤン反応(π-p→γ*n→μ+μ-n反応)断面積測定実験のための、高位置・高時間分解能ミューオン検出器の開発を行った。このミューオン検出器には、Resistive Plate Chamber(RPC)と呼ばれる検出器を用いる。RPC検出器は安価に大面積化でき、高時間分解能を持つことが特徴の検出器で、これまで主に時間測定用に用いられてきた。本研究では、位置分解能も優れたRPC検出器を開発し、ミューオンの通過位置・時間の同時測定に用いる。
RPC検出器はガラスを積み重ねた構造のガス検出器である。ガラスの外側に電圧印可用のカーボン電極が貼られ、さらにその外側の読み出しストリップを用いて信号の読み出しを行う。これまでの飛行時間測定用のRPC検出器には、25 mm程度の間隔で上下で同じ方向を向いた読み出しストリップが用いられてきた。位置測定用のRPC検出器では、読み出しストリップを数 mm程度の間隔に狭め、上下のストリップの方向を90度回転した読み出しストリップを開発する必要がある。
初年度はこの位置測定用のRPC検出器と、信号増幅に用いるアンプの製作技術の確立を行った。読み出しストリップは5 mmの間隔を維持しながら、1000 mm × 500 mmの大型化に成功した。また、アンプも5 mm間隔の入力・出力を持つ基盤の製作に成功した。読み出しストリップとアンプの接続には、小型コネクタであるU.FLを導入した。製作したRPC検出器とアンプは、性能評価試験を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

5 mmの狭い間隔で、上下で異なる方向の読み出しストリップを持つ、RPC検出器とアンプの製作技術を確立した。製作したRPC検出器と、アンプの性能評価試験を行った。アンプの増幅率が高く、アンプの出力側から読み出しストリップへのフィードバックにより、大きなノイズがのってしまうことが分かった。このノイズにより、RPC検出器の位置・時間分解能の性能評価試験を年度内に行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

アンプからのノイズの安定的な抑制方法の確立を行い、製作したRPC検出器の位置・時間分解能の評価を行う。ノイズはアンプからのフィードバック起因であるため、アンプと読み出しストリップの間に遮蔽体を入れることで抑制できる。遮蔽体を含む筐体の設計・製作を行う。安定したノイズ抑制方法の確立後、ビーム試験により、位置・時間分解能の性能評価を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] Academia Sinica(その他の国・地域 台湾)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      Academia Sinica
  • [学会発表] 高時間・高位置分解能のResistive Plate Chamber検出器の開発2022

    • 著者名/発表者名
      宇田隆佑, 林双葉, 冨田夏希, 阪口篤志, 白鳥昴太郎, 徳田恵, 山本勇次, Wen-Chen Chang, Ming-Lee Chu, Chia-Yu Hsieh, Wendell Roger, 他 J-PARC E50コラボレーション
    • 学会等名
      日本物理学会 第77回年次大会
  • [学会発表] 飛行時間測定用大型Resistive Plate Chamberの開発2022

    • 著者名/発表者名
      林双葉, 宇田隆佑, 冨田夏希, 阪口篤志, 白鳥昂太郎, 徳田恵, 山本勇次, Wen-Chen Chang, Ming-Lee Chu, Chia-Yu Hsieh, Roger Wendell, 他J-PARC E50コラボレーション
    • 学会等名
      日本物理学会 第77回年次大会
  • [学会発表] 排他的ドレルヤン反応を用いた核子構造研究のためのミューオン検出器の開発2021

    • 著者名/発表者名
      冨田夏希
    • 学会等名
      第6回クラスター階層領域研究会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi