研究領域 | ハイエントロピー合金:元素の多様性と不均一性に基づく新しい材料の学理 |
研究課題/領域番号 |
21H00137
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
礒部 繁人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10564370)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ハイエントロピー合金 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,1族・2族元素をメインとするハイエントロピー合金を創製することである。固溶体を形成しにくい金属元素こそ,いわゆるハイエントロピー合金の概念「配置エントロピー増大によるギブスエネルギー減少化」で,合金化したいと考えた。応用先としては,次世代の軽金属材料や水素吸蔵材料などの機能性材料が考えられる。試料作製にはボールミリング法を用いた。先ず,LiMg0.5AlTi1.5に対し回転速度を400 rpmに固定し,種々のミリング時間(0~40 h)で試料を作製した。ボール対試料質量比96:1とした。また,基本組成の組成比を変化させた4元系,元素を追加した5元系の試料を,ミリング時間20 h,回転速度400 rpmで作製した。試料組成はLi,Mg,Al,Ti,Mを等原子比で混合したLiMgAlTiMとし,添加元素MにはV,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Y,Zrを使用した。試料作製はAr雰囲気下のグローブボックス内で行った。作製した試料に対してXRD及びSEMによる結晶構造解析及び微細組織観察を行った。また,バルク体の作製条件を検討する目的で,熱処理による相変化の有無を調査した。 4元系合金LiMgAlTiについて,ボールミリング法によりHCP単相が作製できた。5元系LiMgAlTiM,(M=V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Y,Zr,Nb)については,ボールミリング法による単相固溶体の作製には至らなかったが,Li-Mg-Al-Ti-V系合金およびLi-Mg-Al-Ti-Nb系合金ではBCC相が主相となることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
4元系合金LiMgAlTiについて,ボールミリング法によりHCP単相が作製でき,5元系LiMgAlTiM,(M=V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Y,Zr,Nb)については,ボールミリング法による単相固溶体の作製には至らなかったが,Li-Mg-Al-Ti-V系合金およびLi-Mg-Al-Ti-Nb系合金ではBCC相が主相となることが判明したため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り,水素吸蔵などの機能性及び,機械的特性を調査する。
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