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2022 年度 実績報告書

ハイエントロピー合金の短範囲秩序形成に伴う弾性的性質の変化

公募研究

研究領域ハイエントロピー合金:元素の多様性と不均一性に基づく新しい材料の学理
研究課題/領域番号 21H00148
研究機関神戸大学

研究代表者

田中 克志  神戸大学, 工学研究科, 教授 (30236575)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードハイエントロピー合金 / 短範囲規則 / 弾性定数 / 規則化エネルギー
研究実績の概要

短範囲規則状態が存在するとされているCrMnFeCoNiハイエントロピー合金とCrCoNiミディアムエントロピー合金に対して種々の熱処理条件に伴う電気抵抗変化を測定し,短範囲規則状態の形成温度を決定する.さらに等温焼鈍,等時焼鈍法を用いることで,短範囲規則状態の形成速度,形成に係る活性化エネルギーの導出を行うことを第1の目的とした.短範囲規則状態が異なる試料について単結晶弾性定数の測定を行い,短範囲規則状態の形成に伴う弾性的性質の変化を明らかにする.また,体積弾性率の導出を行うことで,短範囲規則状態の形成エンタルピーを算出することを第2の目的とした.
本年度は昨年度行った電気抵抗測定において顕著な特徴が現れた温度域でどのような組織変化が起こっているのかを明らかにするため,SEM・TEM・X線回折測定による内部組織の観察を行なった.また,熱処理に伴う単結晶弾性定数の変化についての測定を行なった.
加熱過程における大きな電気抵抗の増加過程では,転位組織の回復は起こっているが,電気抵抗の増加につながる析出物の形成などは観察されなかった.一方,電気抵抗の減少過程は再結晶に対応していることが明らかとなった.加熱過程と冷却過程で電気抵抗値が一致していることから,結晶粒径は測定精度の範囲内で電気抵抗値に影響を与えていないことが明らかとなった.
短範囲規則形成に伴う単結晶弾性定数の変化を測定するため.CrCoNi合金を700℃から焼き入れた直後と400℃で一週間熱処理したものについて弾性定数の測定を行なった.焼鈍により短範囲規則状態が形成された試料では弾性定数が大きくなっていることが明らかになった.これらの弾性定数の中で体積弾性率は結合エネルギーとほぼ比例関係あることが知られている.これから短範囲規則状態形成に伴う結合エネルギー変化が約6kJ/mol程度であることが明らかとなった.

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Formation condition and effect on the early stages of plastic deformation of chemical short-range order in Cr-Co-Ni medium-entropy alloy2023

    • 著者名/発表者名
      Teramoto Takeshi、Kitasumi Kentaro、Shimohara Ryota、Ito Yusuke、Shimizu Ryouga、Tanaka Katsushi、Ueji Rintaro
    • 雑誌名

      Journal of Alloys and Compounds

      巻: 941 ページ: 169016~169016

    • DOI

      10.1016/j.jallcom.2023.169016

    • 査読あり
  • [学会発表] CrCoNiミディアムエントロピー合金の加工軟化挙動2023

    • 著者名/発表者名
      田中 克志,下原 涼太,寺本 武司,上路 林太郎
    • 学会等名
      日本金属学会2023年春期(第172回)講演大会
  • [学会発表] FCC構造を持つ高エントロピー合金の特異な弾性定数の起源2022

    • 著者名/発表者名
      田中 克志,篠原 諒,大谷 涼,寺本 武司
    • 学会等名
      日本金属学会2022年秋期(第171回)講演大会
  • [学会発表] CrCoNiミディアムエントロピー合金の電気抵抗変化と内部組織の関係2022

    • 著者名/発表者名
      清水 崚雅,北角 健太郎,寺本 武司,田中 克志
    • 学会等名
      日本金属学会2022年秋期(第171回)講演大会

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公開日: 2023-12-25  

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