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2021 年度 実績報告書

超多元ナノポーラス合金の展開

公募研究

研究領域ハイエントロピー合金:元素の多様性と不均一性に基づく新しい材料の学理
研究課題/領域番号 21H00153
研究機関高知工科大学

研究代表者

藤田 武志  高知工科大学, 環境理工学群, 教授 (90363382)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードナノポーラス金属 / 電極触媒 / ハイエントロピー合金
研究実績の概要

高エントロピー合金は、複数の構成元素を等原子組成に近い濃度まで含む単相固溶体を形成する合金であり、機械的・機能的性質が従来合金とは大きく異なる特長をもっている。そして、高エントロピー合金に無数のナノレベルの開気孔を導入することで、さらなる多機能化(触媒)を実現することが期待されている。しかし、触媒特性についてはまだまだ未踏の領域であり、構成元素数は5~7であり、それらの元素には触媒元素として使われているものも含まれる。
研究代表者(藤田)は、有機化学合成・ガス反応・電極触媒用途に用いられるほぼすべての遷移金属(Cu, Co, Ni, Fe, Mo, Ti)と貴金属(Au, Ag, Ir, Pt, Pd, Ru, Rh)を含んだ14元素から構成される超多元ナノポーラス合金の作製に成功した。作製も特段難しくなく、Al(Cu, Ni, Fe, Co, Au, Pt, Pd, Ag, Ir, Ru, Rh, Ti, Mo)前駆体合金からアルカリ溶液でAlを脱合金化することで達成した。この超多元触媒を実際に水の電気分解用電極触媒として使用した結果、高性能な触媒の指標としても知られる白金(Pt)やイリジウム酸化物よりも優れた性能と耐久性があることを確認した。構成元素数が10を超えた研究例はほとんどなく、触媒として用いられるほぼすべての元素を含んでいることから、多方面での応用が期待できるプラットフォーム材料となっている。この超多元ナノポーラス合金を多分野の専門家と協同で活用していくことで未踏材料・触媒を開拓していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

14元素から構成される超多元ナノポーラス合金が作製でき、構成元素数も増える見込みとなっている。また、いろんなバリエーションの元素の組み合わせが可能であることを確認している段階であり、様々な応用面での活用が期待できる状況にある。

今後の研究の推進方策

貴金属、遷移金属、軽元素で構成される超多元ナノポーラス合金を作製し、水の電気分解用電極触媒としての応用を検討する。また、超多元ナノポーラス合金の学術領域内で配布することで、多くの異分野研究者や共用の実験設備と有機的連携によって発展させる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Nanoporous ultra-high-entropy alloys containing fourteen elements for water splitting electrocatalysis2021

    • 著者名/発表者名
      Cai Ze-Xing、Goou Hiromi、Ito Yoshikazu、Tokunaga Tomoharu、Miyauchi Masahiro、Abe Hideki、Fujita Takeshi
    • 雑誌名

      Chemical Science

      巻: 12 ページ: 11306~11315

    • DOI

      10.1039/D1SC01981C

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 10元素以上含むナノポーラス超高エントロピー合金の創製2021

    • 著者名/発表者名
      藤田武志, Cai Zexing, 牛王宏美, 宮内雅浩, 阿部英樹
    • 学会等名
      2021年169回秋期日本金属学会
  • [学会発表] 銅アルミイットリウム系合金から作製した階層性ラネー銅の触媒特性2021

    • 著者名/発表者名
      吉﨑友哉、藤田武志
    • 学会等名
      2021年169回秋期日本金属学会
  • [学会発表] コロナ放電とナノポーラス金属を組み合わせたガス触媒評価2021

    • 著者名/発表者名
      今田翔太、藤田武志
    • 学会等名
      2021年169回秋期日本金属学会
  • [備考] 14元素を均一に含む超多元触媒の開発に成功 ~簡便な方法で作製可能、万能触媒の実現に期待~

    • URL

      https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210820/index.html

  • [産業財産権] 水分解触媒2021

    • 発明者名
      藤田 武志、チャイ ゼーシン
    • 権利者名
      高知工科大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-133953

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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