研究領域 | マルチスケール精神病態の構成的理解 |
研究課題/領域番号 |
21H00212
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高田 則雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50415212)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ドーパミン / 光ファイバー測光装置 / マウス / fMRI |
研究実績の概要 |
精神刺激薬は濃度依存的に定型的な異常行動を誘発する。たとえば低用量の覚醒剤を急性投与するとマウスは走り回るが(移所運動量の増加)、高用量では1か所に留まって舐める、嗅ぐなどを強迫的に繰り返す(常同行動)。同一の薬剤が異なる病態を生じる仕組みは何か?覚醒剤は線条体のドーパミン(DA)濃度を上昇させる。申請者は独自に開発した「光ファイバー測光装置」を活用してマウス線条体の細胞外DA濃度の計測に成功した。 初年度である令和3年度には、覚醒剤投与後の異常行動とDA動態との同時計測に成功した。覚醒剤濃度に依存した現象を見いだした。また光ファイバー測光装置によるDA計測とMRI撮像との同時計測を実現する光学系の設計と構築に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画通りに覚醒剤投与後の異常行動の種類と、線条体のドーパミン濃度変動とを対応付けることに成功した。その上、覚醒剤投与後のfMRI撮像にも成功しているため。
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今後の研究の推進方策 |
光ファイバー測光装置によるDA計測と、fMRIによる全脳活動計測との同時計測系の構築を完成させる。覚醒剤濃度に応じたDA動態と全脳活動との対応関係を解明する。
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