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2021 年度 実績報告書

精子受精能を制御する生殖路管腔環境のデザイン原理

公募研究

研究領域配偶子インテグリティの構築
研究課題/領域番号 21H00231
研究機関大阪大学

研究代表者

淨住 大慈  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70452430)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードルミクリン / 分泌因子 / 精巣上体 / 管腔 / シグナル伝達
研究実績の概要

精巣で作られたばかりの精子には受精能はなく、精子のこの質的なインテグリティの完成、すなわち精子の「成熟」においてには、精巣上体の管腔内環境が重要な役割を担っている。しかしこの管腔内環境がどのように精子を成熟させるのか、そのメカニズムはほとんどわかっていない。そこで本研究では精子を成熟させる「生殖路管腔内空間のデザイン原理」を明らかにする.具体的には、(1)精子成熟を規定する管腔内環境やその構成因子の作用機序、(2)管腔内環境によって引き起こされる精子の質的な変化、の2点を分子レベルでの解明に取り組んだ。
(1) 精子の成熟にはルミクリンという生殖路管腔内シグナル伝達による精巣状態の分化制御が必須である。この制御因子として新規な分泌タンパク質Ts-1を同定した。Ts-1を欠損させたマウスは精巣上体が分化せず、その結果精子が成熟出来ず不妊となる。このTs-1欠損マウスの表現型はルミクリン異常により雄性不妊となるNell2欠損マウスやRos1欠損マウスと同様であることがわかった。さらにTs-1欠損マウスの精巣特異的にTs-1トランスジーンを発現させると生殖能力が回復した。以上の結果から、Ts-1がルミクリン因子として機能している可能性が強く示唆された。
(2) Ts-1欠損マウスやNELL2欠損マウス精子の解析から、精子においてその機能的成熟に関わる候補タンパク質を同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに新規なルミクリン因子としてTs-1を同定した。ルミクリン不全動物の解析により、精子の成熟に関わる精子タンパク質の候補をいくつか同定することができた。

今後の研究の推進方策

これまでに同定したルミクリン因子を起点に関連する因子のさらなる探索を進めるとともに、精子の成熟に関わるタンパク質の同定と機能解析も引き続き進める。遺伝子改変動物の作製・解析と精製タンパク質を用いた生化学的な解析を組み合わせた方法論で研究を推進する。

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公開日: 2023-12-25  

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