公募研究
私たちはこれまで免疫染色をベースに、細胞・組織を非破壊的に標的タンパク質を可視化し、同時にゲノム上の位置を決定するChILSeq を開発した(Nat Cell Biol.2019)。ChILSeq では抗体反応領域周辺のゲノムDNA にTn5 トランスポザーゼを用いて選択的にT7RNA ポリメラーゼプロモータ配列を挿入し、T7RNA ポリメラーゼの添加により強制的に転写させることでゲノム情報をRNAとして獲得する。ChIL 反応により転写されたRNA はゲノムから遊離しないため、細胞の形態や組織内の位置情報を保持した状態でsmFISH により検出可能である。これまでにChILsmFISH により、NGS なしでのイメージングのみでハイスループット且つ1 細胞レベルの高解像度エピゲノム解析技術が樹立し、エピゲノムとトランスクリプトームの同時測定技術が理論上可能となった。一方で、高転写状態解析にはこれにタンパク質の発現情報が欠かせない。そこで、本研究計画では、更に発展させ、プロテオミクスまで含めたマルチオミクス技術を開発にとりくんだ。プロテオミクスの適用の為新たに開発した連続蛍光免疫染色法(seqImmuno-Fluo:以下seqIF)の実装を行い、200種を超えるプローブの作成と検証を行い、ヒト検体を用いた実データ取得を進めた。更に、これら解析を行うための自動化デバイスの開発に取り組み、共焦点レーザー顕微鏡下でデータを自動的に取得し、反応を行う新たなデバイス開発に成功している。現在論文投稿準備中である。また、トランスクリプトーム技術seqFISH+との統合を達成した。
1: 当初の計画以上に進展している
当初予定の開発を早めて、データ取得を進めており当初の計画以上に進展している。
研究計画に従って進めていく。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (22件) (うち国際共著 1件、 査読あり 22件、 オープンアクセス 22件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件) 備考 (1件)
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