公募研究
ユビキチンのN末端を介した特殊な連結様式により形成される「直鎖状ユビキチン鎖(M1鎖コード)」は、NF-kBなどの炎症シグナルや細胞死を制御するユニークか つ希少なユビキチンコードとして、近年、大きな注目を集めている。本研究では、独自に開発した阻害剤を活用して、M1鎖コードの「産生」と「分解」を特異的 に制御し、M1鎖コードが担う新たな生理機能と、その破綻に伴う各種病態形成の分子機序を明らかにする。具体的な化合物・分子標的として、M1鎖コードの「産 生」を担うLUBACに対する特異的阻害剤として我々が独自に開発したHOIPINsを用いるほか、M1鎖コードの分解を担うOTULINに対する特異的阻害剤の開発を加速さ せ、「産生」と「分解」の両側面からM1鎖コードの代謝を制御し、その新規生理機能を探索し、関連する各種病態の発症・抑制メカニズムの解明を進める。本年度、(i)HOIPINsを用いたケモテクノロジー解析と疾患モデル評価として、独自に開発したLUBAC阻害剤(HOIPINs)の筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウスに対する病態抑制効果を検証した。その結果、HOIPIN-8の投与により、ALSモデルマウスの生存期間が有意に延長すると共に、一部の運動機能の減衰を部分的に抑制することを見出した。また、(ii)OTULIN阻害剤の開発とケモテクノロジー解析として、各種in vitro解析やADME解析を含む共同研究から新たな知見を取得し、培養細胞において過剰発現したOTULINの活性を抑制する可能性のある候補化合物を取得することが出来た。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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