公募研究
これまでの研究で得られたβ-TrCP阻害物質について、その類縁体の解析を進めた。試験管内のリン酸化ペプチドへの結合、ユビキチン化活性に対する影響をみるふたつのアッセイによって絞り込んだ物質が細胞内で機能できる事を、β-TrCP複合体によるユビキチン化を介した細胞でのβカテニンの分解、IκBの分解への影響を解析することで行った。これらの解析によりさらに強い結合能を有する小分子を3種取得した。しかしながらその阻害活性は期待ほど強くはなくPROTAC化合物の合成に進めるには不十分であると判断した。化合物のβ-TrCPとの相互作用をin silico解析を行い、化合物とβ-TrCPの間の水素結合形成が阻害活性に重要であることを見出した。これらについての論文発表を行うことを進め投稿中である。一方、その過剰発現ががん化およびがん細胞の増殖維持を誘導することが知られる c-Mycがん遺伝子に着目し、そのユビキチン化依存分解誘導系の構築も目指した。具体的にはすでに構築しているc-Myc活性を細胞内で解析できる系を用い、細胞内でc-Myc活性を阻害出来る物質探索を継続した。これまでの化合物ライブラリーおよび微生物二次代謝物の解析ですでにいくつかのヒット化合物を得ていたが、これらの中から、antimycin Aがc-Mycのユビキチン化依存分解を誘導することを見出した。また活性のある微生物二次代謝物からの活性物質精製も進めss49という物質もc-Mycのユビキチン化依存分解を誘導することを見出した。どちらの物質もミトコンドリアの酵素を阻害することで障害を与え活性酸素種(ROS)を発生させ、ROSがc-Mycをリン酸化する酵素であるGSK3を活性化することでc-Mycのユビキチン化依存分解を誘導することを見出した。これらについても論文発表を行うことを進め投稿中である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 6件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
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