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2022 年度 実績報告書

有殻アメーバの頑健な卵型被殻形成から学ぶ力学的最適化

公募研究

研究領域植物の力学的最適化戦略に基づくサステナブル構造システムの基盤創成
研究課題/領域番号 21H00359
研究機関山形大学

研究代表者

野村 真未  山形大学, 理学部, 助教 (40770342)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード有殻アメーバ / 被殻構築 / FIB-SEM / 3Dプリンター
研究実績の概要

有殻アメーバのポーリネラは細胞外に複数の鱗片から構築された卵型のサステナブル被殻を建築する。この殻の頑健性は鱗片が力学的に最適な位置に配置され、セメント物質によって接着されることで担保されると考えられる。進化の過程で最適化された卵型被殻における鱗片配置の力学特性を明らかにすることは建築学へ新たな知見をもたらしてくれる。しかし、この頑健な被殻の構造すらまだ正確にはわかっていない。そこで、本研究では将来の建築学への応用を念頭に、本年度はFIB-SEMのデータをもとにセグメンテーション解析を行い、さらに3Dプリンターを用いて卵型被殻の模型を作成し、被殻の構造を明らかにすることを目的とした。これまでの研究で我々は集束イオンビーム-走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)を用いて卵型被殻の完全3D像の取得に成功していた。そこで、このデータを利用し、3Dプリンターで1万倍に拡大した完全な1つの被殻を印刷した。1つは被殻長軸方向に二分した被殻を印刷し、それを見本模型とした。さらに、一枚一枚の鱗片を個別にセグメンテーションしたものを印刷し、見本模型を見ながら被殻を組み立てた。また、鱗片ごとにセグメンテーションを行ったデータを用いてそれぞれの鱗片の体積と重心を算出し、3次元空間上にどの様に鱗片が配置されているのかを明らかにした。XY平面もしくはXYZ3次元空間に各鱗片の重心をプロットした結果、5枚の花びら状に鱗片の重心が配置されていることが明らかとなった。細胞長軸方向に並ぶ鱗片の重心が一直線上であれば、XY平面二次元プロット上で直線が放射状に伸びるだけであるが、鱗片の重心の配置が花びら状になっているということは各列ちょうど1周ねじれているといえる。つまり、細胞長軸方向に並ぶ鱗片の重心はS字状にずれて配置されていることがわかった。これらの成果について論文投稿準備中である。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 有殻アメーバの頑健な卵型被殻構築過程の4Dイメージングおよび模型作成 / 4D Imaging and 3D modeling of the robust egg-shaped shell construction process of testate amoeba2022

    • 著者名/発表者名
      野村真未・西上幸範・Josephine Galipon・市川正敏・中山卓郎・太田啓介・中村桂一郎
    • 学会等名
      第60回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Paulinella microporaにおけるマイクロボディの局在とその機能推定2022

    • 著者名/発表者名
      野村真未・中山卓郎・太田啓介・中村桂一郎
    • 学会等名
      日本植物学会第86回大会
  • [学会発表] アメーバ、家を建てる?!単細胞生物のカタチづくり2022

    • 著者名/発表者名
      野村真未
    • 学会等名
      いきものサロン
    • 招待講演
  • [学会発表] 有殻アメーバ直伝、卵型シェルターの作り方2 ー接着剤編ー2022

    • 著者名/発表者名
      野村真未
    • 学会等名
      2022年度日本建築学会

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公開日: 2023-12-25  

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