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2022 年度 実績報告書

根の分岐構造に学ぶ土壌強靭化と新規複合材料の創生

公募研究

研究領域植物の力学的最適化戦略に基づくサステナブル構造システムの基盤創成
研究課題/領域番号 21H00360
研究機関東京大学

研究代表者

山口 哲生  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20466783)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード根系 / モデル / 引き抜き / 倒伏 / 理論 / 摩擦 / 破壊 / 土壌
研究実績の概要

植物の根は,養水分を吸収して地上部に供給するとともに,植物の体を支える重要な役割を果たしている.これまで,根の固定力に関する先行研究は行われてきたが,根の分岐構造の効果については十分に理解されていない.そこで本研究では,植物の固定力発現機構を調べるため,実際の植物の根系を用いるかわりに,構造を単純化したモデル根系を作製し,その場観察を行いながら引き抜き試験や倒伏試験を行うことで,根系の力学挙動を詳細かつ正確に調べた.
まず,引き抜き試験においては,根モデルのヤング率や太さを系統的に変化させ,引き抜き力との関係を調べた結果,根の曲げ剛性によってよく表されることが分かった.観察結果から,曲げ剛性が小さいときと大きなときとで引き抜き挙動が全く異なることに着目し,両極限において引き抜き力を記述する理論モデルを構築した.実験と比較したところ,両者に良好な一致が見られた.
次に,剛直な根モデルに対して,分岐角度の異なる試験体を作製して倒伏力(倒伏モーメント)を測定した.その結果,ある分岐角度で極大を示すことが明らかになった.倒伏試験に対応する理論モデルを開発し,倒伏力の分岐角度依存性を計算したところ,実験をよく再現する結果が得られた.
これらの結果から,根系の土壌への固定に対し,根系の曲げ剛性,根と土壌との摩擦や土壌の破壊が,現象にとって本質的な役割を果たしていることが明らかとなり,固定力の定量的評価への道筋が示された.

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] サンチアゴ・デ・チレ大学(チリ)

    • 国名
      チリ
    • 外国機関名
      サンチアゴ・デ・チレ大学
  • [学会発表] 植物の根のモデル化と引き抜き挙動2023

    • 著者名/発表者名
      山口 哲生
    • 学会等名
      バイオトライボロジ研究会
  • [学会発表] 植物の根の引き抜きにおける植物-土壌相互作用と力学挙動2023

    • 著者名/発表者名
      山口 哲生
    • 学会等名
      日本物理学会年次大会
  • [学会発表] 根の分岐構造に学ぶ土壌強靭化と新規複合材料の創生2022

    • 著者名/発表者名
      山口 哲生
    • 学会等名
      植物構造オプト領域会議
  • [学会発表] 植物の根の引き抜きと土壌強靭化に関するモデル実験2022

    • 著者名/発表者名
      山口 哲生
    • 学会等名
      建築学会年次大会
  • [学会発表] Pull-out behavior and mechanical properties of model root systems2022

    • 著者名/発表者名
      Tetsuo Yamaguchi
    • 学会等名
      International symposium on"Plant-Structure-Optimization
    • 国際学会
  • [学会発表] 植物の根の引き抜き挙動に関するモデル実験2022

    • 著者名/発表者名
      山口 哲生
    • 学会等名
      日本機械学会M&M
  • [備考] 東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻生物素材科学研究室

    • URL

      http://www.fp.a.u-tokyo.ac.jp/lab/sozai/index.html

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公開日: 2023-12-25  

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