公募研究
本研究は天然の発動分子と言える電位依存性チャネルタンパク質に倣った生体発動分子として、電位依存的に開閉してイオンや低分子を透過できるde novo設計ペプチドチャネルの開発を目指す。分子動力学計算から構造変化のメカニズムを予測し、そのメカニズムに基づいてペプチドのアミノ酸配列の改変と一分子チャネル電流測定を行うことで計算結果を検証する。これにより設計ペプチドチャネルの構造ダイナミクスを明らかにすることを目的とする。2022年度は、事前検討で得られた電位変化をトリガーとしてペプチド会合数を変化させながら開閉するde novo設計αヘリックスペプチドチャネルについて、分子動力学計算と計算結果に基づいて再設計したペプチドの合成、一分子チャネル電流測定によるペプチドチャネルの構造変化の確認を行った。前年度に実施した分子動力学計算では、これまでの電流測定から予測されるペプチド10~13量体のバレル構造モデルを作成し、脂質二重膜に挿入した初期構造を準備した。本年度はさらに詳細に構造変化のメカニズムを解析するために、より大きな会合数のバレル構造について分子動力学計算を行った。その結果、電流測定実験で得られた正の膜電位において大きなポア形成が観測される結果と矛盾しない構造変化の過程を観測した。計算ではペプチドの膜外領域の正電荷が構造変化に寄与していると考えられたことから、膜外領域の電荷を変化させたペプチドを設計し一分子チャネル電流測定を行ったところ、実際に構造変化のダイナミクスも変化している様子が確認できた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 25 ページ: 3595~3606
10.1039/D2CP03972A