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2022 年度 実績報告書

組織修復の時空間制御を司るシンギュラリティ細胞の解析

公募研究

研究領域シンギュラリティ生物学
研究課題/領域番号 21H00425
研究機関京都大学

研究代表者

榎本 将人  京都大学, 生命科学研究科, 助教 (00596174)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード組織修復 / 細胞間相互作用 / マクロファージ / 少数細胞 / ショウジョウバエ / Zfh1/ZEB
研究実績の概要

多細胞生物において傷害を受けた上皮組織は、炎症応答・増殖・再上皮化など複数の生体応答を時間軸に沿って引き起こすことで損傷を修復し再生する。しかし、損傷組織では多数の細胞がその挙動を動的に変化させながら、組織の修復を時間軸に沿って促すため組織修復の制御メカニズムにはいまだ不明な点が多い。本研究では、ショウジョウバエ上皮の組織傷害に応答して損傷組織内に出現する転写リプレッサーZfh1を発現する少数の細胞を「修復制御シンギュラリティ細胞」と定義し、その時空間動態制御メカニズムとこれらの少数のZfh1細胞がどのように損傷組織の修復と再生を駆動していくか、その分子メカニズムを遺伝学的解析やライブイメージング技術を駆使することで明らかにする。当該年度において、上皮組織に出現するZfh1細胞が組織傷害に応答して集積してきたマクロファージの近傍に存在していることを見いだした。マクロファージを遺伝学的に除去したところ、上皮組織のZfh1の発現が抑制された。このことから、組織傷害に応答したZfh1の発現がマクロファージによって誘導されていることが見えてきた。さらにZfh1細胞の機能・役割を明らかにするために、遺伝学的手法を用いて上皮組織にZfh1細胞を野生型細胞とモザイク状に誘導し上皮に出現したZfh1細胞の性質・動態を解析した。その結果、Zfh1細胞では上皮極性因子やE-カドヘリンなどの発現が低下しており、Zfh1細胞は上皮層から逸脱し上皮-間葉転換(EMT)様の現象挙動を示すことが分かった。これらの結果から、上皮とマクロファージの相互作用により発生したZfh1細胞はEMT様の動態変化を引き起こすことで、損傷組織の3次元形態の構築に貢献している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Cell-cell interactions that drive tumorigenesis in Drosophila2022

    • 著者名/発表者名
      Enomoto M, Igaki T.
    • 雑誌名

      Fly

      巻: 16(1) ページ: 367-381

    • DOI

      10.1080/19336934.2022.2148828

    • 査読あり
  • [学会発表] Synergistic tumorigenesis by Src and Yki via inhibition of Socs36E and Hid2023

    • 著者名/発表者名
      Ogawa K, Enomoto M, Igaki T.
    • 学会等名
      64th Annual Drosophila Research Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] JNKシグナルの細胞間伝播を介した上皮組織修復の時空間制御2022

    • 著者名/発表者名
      榎本将人、井垣達吏
    • 学会等名
      第74回日本細胞生物学会大会
  • [学会発表] Interaction of distinct tumor cells causes interdependent tumor malignancy via Notch signaling2022

    • 著者名/発表者名
      Enomoto M, Takemoto D, Igaki T.
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] 上皮組織損傷が誘発する多細胞間相互作用と生体応答2022

    • 著者名/発表者名
      榎本将人、井垣達吏
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 上皮-免疫連関による損傷組織の再構築と生体応答2022

    • 著者名/発表者名
      榎本将人、井垣達吏
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 招待講演
  • [学会発表] スーパーコンペティションによる腫瘍形成を駆動する因子の遺伝学的解析2022

    • 著者名/発表者名
      小川慶悟、永田 理奈、近藤 周、齋藤 都暁、榎本 将人、井垣 達吏
    • 学会等名
      第74回日本細胞生物学会大会
  • [学会発表] Genetic analysis of Src-induced tumor progression2022

    • 著者名/発表者名
      小川慶悟、榎本 将人、井垣 達吏
    • 学会等名
      第15回日本ショウジョウバエ研究会
  • [学会発表] スーパーコンペティションによるがん促進機構の遺伝学的解析2022

    • 著者名/発表者名
      小川慶悟、永田 理奈、榎本 将人、井垣 達吏
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] がんを抑制する組織微小環境の遺伝学的解析2022

    • 著者名/発表者名
      中西與範、榎本将人、井垣達吏
    • 学会等名
      第74回日本細胞生物学会大会
  • [学会発表] Tumor-suppressive tissue microenvironment generated by a reduced sensitivity to Eiger-JNK signaling2022

    • 著者名/発表者名
      中西與範、榎本将人、井垣達吏
    • 学会等名
      第15回日本ショウジョウバエ研究会
  • [学会発表] がんを抑制する組織微小環境の遺伝学的解析2022

    • 著者名/発表者名
      中西與範、榎本将人、井垣達吏
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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