中年期から高齢期の生活文脈が認知機能、運動機能、精神的健康に与える影響の検証

2022 年度 実績報告書

• 研究領域: 生涯学の創出－超高齢社会における発達・加齢観の刷新
• 研究課題/領域番号: 21H05331
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 権藤 恭之 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (40250196)
• 研究期間 (年度): 2021-09-10 – 2023-03-31
• キーワード: データハーモナイズ / 生活文脈 / 高齢期 / 仕事 / 余暇活動 / 認知機能

研究実績の概要

本研究の目的は、中年期から高齢期にかけての仕事や家事、余暇活動といった生活文脈が、高齢期から超高齢期にかけての機能的側面におけるサクセスフルエイジングに与える影響を検証することである。このために、包括的かつ学際的コホート研究の代表であるNILS-LSAとSONICにおいて収集しているデータをハーモナイズして統合し、NILS-LSAが有する40歳からSONICが有する100歳までのデータを構築することとした。
本年度は、ハーモナイズドデータ構築のための2つの研究間での尺度や検査のデータ照合を初年度に行ったうで、2つの成果を得ている。第1に、高齢者の認知機能のスクリーニング検査のとして代表的なMMSEとMoCAの等化スコアを計算するための推定値を算出した。SONICにおいてMMSEとMoCAの両検査を受けた参加者を対象とし、項目反応理論に基づき項目ごとの得点を分析に投入することで精度の高い推定値を得た。これにより、NILS-LSAのMMSEスコアとSONICのMoCAスコアのそれぞれを用いて、共通スコアを算出することができ、ハーモナイズドデータにおいて重要なアウトカム変数を創出できた。第2に、NILS-LSAとSONICで共通する変数である仕事の複雑性と余暇活動の実施有無をハーモナイズしたデータで対象者を分類すると、年齢に関係なく複雑性が高い仕事と多様な余暇活動との組合せが認知機能と関連していることがわかった。このことは、2つの研究データのデータハーモナイズが実現できたことを示していた。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Early- to late-life environmental factors and late-life global cognition in septuagenarian and octogenarians: The SONIC study (2023)
  • 著者名/発表者名: Ishioka Yoshiko Lily、Masui Yukie、Nakagawa Takeshi、Ogawa Madoka、Inagaki Hiroki、Yasumoto Saori、Ikebe Kazunori、Kamide Kei、Arai Yasumichi、Ishizaki Tatsuro、Gondo Yasuyuki
  • 雑誌名: Acta Psychologica 巻: 233 ページ: 103844～103844
  • DOI: 10.1016/j.actpsy.2023.103844
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Cognition, function, and prevalent dementia in centenarians and near‐centenarians: An individual participant data (IPD) meta‐analysis of 18 studies (2023)
  • 著者名/発表者名: Leung Y, Barzilai N, Batko‐Szwaczka A, Beker N, Boerner K, Brayne C, Brodaty H, Cheung KSL, Corrada MM, Crawford JD, Galbussera AA, Gondo Y, Holstege H, Hulsman M, Ishioka YL, Jopp D, Kawas CH, Kaye J, Kochan NA, Lau BHP, Lipnicki DM, Lo JW, Lucca U, Makkar SR, Marcon G, Martin P, Meguro K, Milman S, Poon LW et al.
  • 雑誌名: Alzheimer's & Dementia 巻: Dec 1 ページ: 1-11
  • DOI: 10.1080/0361073X.2022.2106717
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] 生物学的加齢と適応：認知予備力とポジティビティ効果 (2023)
  • 著者名/発表者名: 石岡良子, 権藤恭之
  • 雑誌名: 老年精神医学雑誌 巻: 34 ページ: 163-172
• [雑誌論文] Cognitive Reserve and Cognitive Functioning among Oldest Old Adults: Findings from the Georgia Centenarian Study (2022)
  • 著者名/発表者名: Martin Peter, Gondo Yasuyuki, Lee Gina, Woodard John L., Miller L. Steven, Poon Leonard W.
  • 雑誌名: Experimental Aging Research 巻: Aug 5 ページ: 1～13
  • DOI: 10.1111/ggi.14359
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Factors associated with psychological well‐being among nonagenarians: Well‐being in the era of 100 years of life (2022)
  • 著者名/発表者名: Ito Kae, Okamura Tsuyoshi, Awata Shuichi, Gondo Yasuyuki, Masui Yukie, Inagaki Hiroki, Kamide Kei, Ikebe Kazunori, Arai Yasumichi, Ishizaki Tatsuro
  • 雑誌名: Geriatrics & Gerontology International 巻: 22 ページ: 364～366
  • DOI: 10.1111/ggi.14359
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 加齢に伴って認知機能は低下するのか (2022)
  • 著者名/発表者名: 権藤恭之
  • 雑誌名: 保健の科学 巻: 64 ページ: 521-525
• [学会発表] 人生最晩年における心理的適応の様相2, シンポジウム「成人期・高齢期における発達の最適化とWell-being 発達,社会,臨床的知見による理解と支援」 (2022)
  • 著者名/発表者名: 権藤恭之
  • 学会等名: 日本発達心理学会第34回大会
• [学会発表] 中年期から高齢期にかけての仕事と余暇活動, シンポジウム「高齢者の日常生活研究の新展開－生活に根ざした実践心理学と基礎心理学の架橋－」 (2022)
  • 著者名/発表者名: 小川まどか
  • 学会等名: 日本発達心理学会第34回大会
• [学会発表] シンポジウム「「学際的」な老年学研究のこれまでとこれから」 (2022)
  • 著者名/発表者名: 権藤恭之
  • 学会等名: 日本老年社会科学会第64回大会
• [学会発表] 中年期から高齢期にかけた仕事と余暇活動の組み合わせパターンの類型化 (2022)
  • 著者名/発表者名: 小川まどか, 西田裕紀子, 大塚礼, 権藤恭之
  • 学会等名: 「生涯学の創出－超高齢社会における発達・加齢観の刷新」領域会議
• [学会発表] 大規模研究間でのハーモナイズドデータ構築の試み (2022)
  • 著者名/発表者名: 小川まどか, 中川威, 増井幸恵, Giovanni Sala, 春日彩花, 西田裕紀子, 権藤恭之
  • 学会等名: 日本老年社会科学会第64回大会
• [備考] 健康長寿研究SONIC
  • URL: http://sonic-study.jp/index.html