研究領域 | 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 |
研究課題/領域番号 |
21H05349
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
西田 裕紀子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 副部長 (60393170)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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キーワード | 脳局所容積 / 認知機能 / 幸福感 / 地域在住中高年者 / 縦断研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、地域在住中高年者からの無作為抽出者を対象とした国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)の対象者約2,200名を10年間追跡した学際的縦断調査データを用いて、1)脳局所容積の10年間の加齢変化の個人差を明らかにし、2)脳局所容積の加齢変化と認知機能、幸福感の加齢変化の経時的な相互関係を明らかにすることを目的としている。2021年10月の研究開始から2022年3月末までに、以下の研究を進めた。 (1)10年後の追跡調査であるNILS-LSA第9次調査を完遂した(最終登録者数1,689名)。並行して頭部MRI画像の前処理(SPM8を用いたセグメンテーション等)、脳局所容積の抽出(longitudinal FreeSurfer)を進めた(次年度も継続)。また、認知機能、幸福感等のデータのクリーンアップ作業を行った。(2)学術変革領域研究(A)「生涯学」第2回、第3回領域会議にてNILS-LSAの紹介及び当研究課題の計画案を発表し議論を行った。(3)第9次調査データを含む縦断データの解析から、本研究の主要なアウトカムである認知機能の加齢変化と認知予備能の指標である教育年数との関連を検証し、教育年数は認知機能の全体的なレベルに関連するが、その変化には影響しないことを明らかにした。この内容については第19回認知心理学会のシンポジウムで発表し、現在、論文執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿ったスケジュールで、追跡調査及び縦断データベースの構築が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は10年後の追跡調査を行い完遂した。2022年度は縦断データベースの構築を完了させ、脳局所容積の10年間の加齢変化の個人差を明らかにするとともに、脳局所容積の加齢変化と認知機能、幸福感の加齢変化の経時的な相互関係を検証する予定である。
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