研究領域 | 土器を掘る:22世紀型考古資料学の構築と社会実装をめざした技術開発型研究 |
研究課題/領域番号 |
21H05358
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
箱崎 真隆 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30634414)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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キーワード | 炭素14年代法 / 暦年較正 / 炭素14年輪年代法 / 遺跡出土木材 / 植物利用遺構 |
研究実績の概要 |
2010年代に日本で急速に発展した「酸素同位体比年輪年代法」により、様々な時代の木材に暦年代が与えられ、日本の単年輪炭素14データを充実させるチャンスが到来している。本研究では、日本産資料の暦年較正の高度化を見据え、酸素同位体比年輪年代法で年代決定した植物利用遺構の出土木材を用いて、単年輪の炭素14測定を実施し、次期IntCalの基盤データを獲得する。さらに、このデータを応用し、究極の高精度年代 法ともいえる「炭素14年輪年代法」の確立を目指す。 本研究では日本産資料の暦年較正で最も重要な1-3世紀に狙いを絞り、世界最高水準のデータを得て、どこよりも早く単年輪データを充実させる。本年度は、当該時代の年輪をもつ佐渡島の低湿地遺跡出土木材を分析して、単年輪炭素14データを獲得した。この試料は酸素同位体比年輪年代法によって全ての年輪の暦年代が確定している。この試料において同じ暦年の年輪を繰り返し測定して誤差を縮小し、細かなウィグルを復元した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年2月までに、 福島大学の協力者から分析試料を受領し、国立歴史民俗博物館で化学処理によりセルロースを抽出、東京大学(測定機関)で試料調整と炭素14測定を行い、令和4年3月までに、得られたデータの解析を行う予定であった。当初の予定に反し、東京大学の協力者の現職プロジェクトの都合により、本研究の測定に十分なマシンタイムが確保できなくなった。本研究では極めて質の高い炭素14データを得て、解析を実施するため、国内でも十分に実績のある機関で繰り返し測定することが研究遂行上不可欠であった。本研究の測定に十分なマシンタイムを確保するために試料調整と炭素14測定期間を次年度に延長して実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に多くの測定を繰り越すこととなったが、協力者との調整はついており、次年度中に用意した全ての試料を測定できる見通しが立った。
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