公募研究
本研究では、スピンー軌道相互作用に代表される動的エキシトン効果を考慮した量子化学計算と機械学習により、速い逆項間交差を示す有機分子の仮想スクリーニングを効率的に行う。さらに、候補分子の合成から光物性およびデバイス特性評価までの一貫した実験研究を推進する。これまでに、動的エキシトン効果を考慮した時間依存密度汎関数(TDDFT)法により200分子の逆項間交差速度定数を計算した。この逆項間交差速度に対して、重要な記述子を明らかにした。これら記述子を用いて、1500分子の中から高い逆項間交差速度定数を示す候補分子をベイズ最適化により探索した。さらに、見出した候補分子の合成に成功した。
2: おおむね順調に進展している
研究計画通りに、量子化学計算と機械学習を用いた仮想スクリーニングにより、速い逆項間交差を示す有機分子を見出し、実際に合成することに成功した。したがって、本研究課題は、おおむね順調に進展している。
合成した分子の薄膜を真空蒸着法により形成し、その光物性を評価する。発光寿命と発光量子効率の測定し、逆項間交差速度定数を見積もる。逆項間交差速度定数の実験値と理論値を比較し、分子構造との相関を議論する。合成した分子を発光層に用いた多積層型有機ELデバイスを作製する。発光波長やHOMO、LUMO準位を考慮して、分子のポテンシャルを最大限に引きす出すデバイス構造を適用し、デバイス特性を評価する。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 6件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Chemical Engineering Journal
巻: 434 ページ: 134728
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https://www.n-aizawa.com
https://scholar.google.co.jp/citations?user=agrDe20AAAAJ