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2022 年度 実績報告書

小惑星リュウグウの二次鉱物と有機物:水質変成時の相互作用と太陽風照射の影響の解明

公募研究

研究領域次世代アストロケミストリー:素過程理解に基づく学理の再構築
研究課題/領域番号 21H05424
研究機関京都大学

研究代表者

野口 高明  京都大学, 理学研究科, 教授 (40222195)

研究期間 (年度) 2021-09-10 – 2023-03-31
キーワードリュウグウ / はやぶさ2 / 宇宙風化 / 初期分析
研究実績の概要

小惑星リュウグウ試料の初期分析国際チームのひとつである「砂の物質分析班」の班長として「砂の物質分析班」の研究では,小惑星リュウグウにおける宇宙風化を明らかにすることが最も重要な課題であった。水質変成作用によって作られた宇宙風化には2種類あり,我々がSmooth layerと名付けた構造が,太陽風照射によって形成されるかどうかを,JAXA/ISASの仲内悠祐博士,東京大学の橘省吾教授,瀧川晶准教授の協力によって,宇宙風化を受けていないリュウグウ試料を使って,JAXAの低エネルギーイオン照射装置を使って組織再現実験を行った。その結果,約1000年間の太陽風照射にあたるヘリウムイオン照射によって,Smooth layerとよく似た組織を再現することができた。この結果は,Noguchi et al. (2023)のNature Astronomy誌の論文の一部となった。この時には,太陽風照射による宇宙風化を受けたリュウグウ試料の表面に有機物が露出しているところは見つからなかった。
そこで,リュウグウ試料の国際公募分析で試料を申請し,宇宙風化している面に有機物が露出しているところを探すことを試みた。ところが,配付された試料はそもそも宇宙風化をしていなかった。第2回目の国際公募分析で,初期分析時に配布された砂状試料の分析し残りを再配布していただいた。研究分担者の松本が一部の試料に有機物が表面に露出しているところを発見した。その部位をFIBで切り出してTEM観察やC K端のSTXM-XANESを行ったが,宇宙風化を受けていない有機物と違いを見いだすことができなかった。その理由として,高分子有機物は元々が非晶質であり,太陽風照射による低エネルギーの陽子やヘリウムイオンの照射を1000年かそれ以下の期間受けた程度では検出可能な構造変化が生じなかったためではないかと今のところ考えている。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] A history of mild shocks experienced by the regolith particles on hydrated asteroid Ryugu2023

    • 著者名/発表者名
      Tomioka Naotaka、... Noguchi Takaaki、... Matsumoto Toru、... Tsuda Yuichi
    • 雑誌名

      Nature Astronomy

      巻: 7 ページ: 669~677

    • DOI

      10.1038/s41550-023-01947-5

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Influx of nitrogen-rich material from the outer Solar System indicated by iron nitride in Ryugu samples2023

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Toru、Noguchi Takaaki、... Tsuda Yuichi
    • 雑誌名

      Nature Astronomy

      巻: 8 ページ: 207~215

    • DOI

      10.1038/s41550-023-02137-z

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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