研究領域 | 高密度共役の科学:電子共役概念の変革と電子物性をつなぐ |
研究課題/領域番号 |
21H05494
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
池田 浩 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30211717)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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キーワード | 擬高密度共役 / 有機結晶 / 光励起 / 超高圧 / マルチマー |
研究実績の概要 |
本研究ではジベンゾイルメタンと三フッ化ホウ素から合成される有機ボロン錯体(1)と同様な発光性を有し、3次元的な電子供与体である[2.2]パラシクロファン骨格を二つ有する分子(d,lとmesoの二つの立体異性体がある)ならば、多様な発光骨格を容易に準備でき、それに対応する結晶構造と多様な擬高密度共役系が構築できると考え、新たな結晶発光性有機物として3ー7(3:ジオキサンボリニン誘導体、4:オキサアザボリニン誘導体、5:ピリミジン誘導体、6:ピラゾール誘導体、7:イソオキサゾール誘導体)を分子設計した。研究は、次の①ー⑤の5段階からなり、当該年度は主に誘導体d,l-3、meso-3、d,l-4、meso-4について①ー④の検討を行い、一定の知見を得た。 ①合成:3ー7の合成ルートは直前の前駆体までを共通化し、研究の効率化を狙う。 ②常圧下および暗所の結晶構造解析および分光測定:通常の吸収や発光のスペクトルは、現有設備で効率的に測定できる。 ③超高圧下のX線結晶構造解析および高強度光励起下の分光測定:超高圧はダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いて実現する。DAC条件でのX線結晶構造解析は、(株)リガクの協力を得る。DAC条件での分光測定についてはこれまで他大学のDAC装置を借用していたが、本研究費で購入して効率化を図る。レーザーは現有設備を用いる。 ④理論化学計算:密度汎関数理論計算を中心に、結晶中の分子間相互作用の理論的評価を行う。既に共同研究実績のある産業技術総合研究所の研究員の協力を得る。 ⑤総括:本研究の三つの目的の達成にかかる議論を行う。超高圧・光照射条件で分子間距離が近接するなどによって分子間相互作用が高まることが、多くの系で実験と理論計算により実証できれば、それを擬高密度共役の発現として判断する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジベンゾイルメタンと三フッ化ホウ素から合成される有機ボロン錯体(1)の種々の[2.2]パラシクロファン置換体のピエゾフルオロクロミズムについて、興味深い実験結果を得ることができ、まもなく2報の英語論文を発表できる状況にあるため。
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今後の研究の推進方策 |
前ページの研究実績の概要を受けて、本年度は、d,l-5、meso-5、d,l-6、meso-6、d,l-7、meso-7について①ー④の検討を行う。さらに最終的に⑤の総括を行う。 ①合成:3ー7の合成ルートは直前の前駆体までを共通化し、研究の効率化を狙う。 ②常圧下および暗所の結晶構造解析および分光測定:通常の吸収や発光のスペクトルは、現有設備で効率的に測定できる。 ③超高圧下のX線結晶構造解析および高強度光励起下の分光測定:超高圧はダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いて実現する。DAC条件でのX線結晶構造解析は、(株)リガクの協力を得る。DAC条件での分光測定についてはこれまで他大学のDAC装置を借用していたが、本研究費で購入して効率化を図る。レーザーは現有設備を用いる。 ④理論化学計算:密度汎関数理論計算を中心に、結晶中の分子間相互作用の理論的評価を行う。既に共同研究実績のある産業技術総合研究所の研究員の協力を得る。 ⑤総括:本研究の三つの目的の達成にかかる議論を行う。超高圧・光照射条件で分子間距離が近接するなどによって分子間相互作用が高まることが、多くの系で実験と理論計算により実証できれば、それを擬高密度共役の発現として判断する。
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