公募研究
前年度に引き続き、複合体立体構造から解離を行うdPaCS-MD/MSM法、解離状態から結合・解離サイクルを繰り返すa/dPaCS-MD/MSM法やColDock法、evERdock法をタンパク質とナノマテリアルの複合体などの立体構造予測にも利用できるようにシミュレーション法やモデルの開発・改良を行った。領域内の共同研究を中心として様々な分子複合体を対象に研究を展開した。具体的には、ヘルペスウイルスのglycoprotein BとPILRαの相互作用、物質共生に大きくかかわるPEG-抗PEG抗体の弱い相互作用、味覚受容体のアミノ酸認識、SGLT1による糖の選択的認識、アデノシン A2A 受容体と低分子化合物の相互作用などの研究を領域内の共同研究者の実験データと比較しながら研究を展開した。glycoprotein BとPILRαの複合体やSGLTと糖の相互作用に関しては、先行研究で指摘されていた分子力場依存性が我々の研究でも確認でき、これを踏まえた研究を行った。SGLT1に関しては、当初実験で適当な立体構造が見られなかったため、SGLT2の実験構造からホモロジーモデリングを行ったが、年度中に実験構造が得られたのでこれに基づく再計算を行った。PEG-抗PEG抗体の相互作用に関しては、九大森研究室との共同研究でTI抗原とTD抗原における違いを明らかにし、この結果を含む論文の執筆を進めている。味覚受容体のアミノ酸認識においては、2種類の類似したアミノ酸の結合の強さの違いをもたらす原因を明らかにすべく計算を行った。これらの場合はPaCS-MDを使わなくてもシミュレーション時間内でしばしば解離や再結合が見られたので、多数のMD計算を実行し更にMSM解析を行うことで、結合と解離の過程の詳しい解析を行うことができた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (4件)
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