公募研究
生命活動に必須の糖分は小腸から吸収され、血糖値が維持されている。ちょうど良い血糖値を維持しているのが、グルコーストランスポーター群と糖との弱い相互作用である。本研究では、小腸や腎臓の上皮細胞の膜で糖の輸送を担う、Na/グルコース共輸送型トランスポーター(SGLT)およびグルコーストランスポーター(GLUT)が、種々の糖の中から目的の糖を選別し輸送する仕組みを解明する。種々の機能解析手法を用いて、糖と輸送体の弱い相互作用の源泉となる力学の体系化、構造情報に基づいた相互作用因子を明らかにする。1) 輸送機能を解析することにより結合に関する因子を定量化した。HPLC解析を用いて卵母細胞に発現させたGLUTに輸送される各種ノンラベル糖の定量的分析を引き続き行い、GLUT5とGLUT2のフルクトースやグルコース誘導体の輸送を解析することに成功した。それら糖輸送が希少糖によって阻害されることを見出し、定量的に解析した。2) 弱い相互作用を理解するために蛍光分子観測を用いて定量化するHumanのSGLT1のホモロジー構造モデルを作成し、細胞外に位置する残基にCys変異を導入し、マレイミドチオール反応にて蛍光分子を付加した。voltage-clamp fluorometry法を改良し、糖結合による蛍光強度の変化を解析することで、糖の結合を定量的に解析する方法を開発した。希少糖を含めた種々の糖の結合を分析することができた。通常は輸送されないフルクトースがhuman SGLT1に結合していることを見出し、論文として報告した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)
Journal of Biological Chemistry
巻: 300 ページ: 107215~107215
10.1016/j.jbc.2024.107215