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2021 年度 実績報告書

大規模量子化学計算と結晶構造DBを用いた超秩序構造のシナジー効果・動的特性の解明

公募研究

研究領域超秩序構造が創造する物性科学
研究課題/領域番号 21H05544
研究機関北海道大学

研究代表者

小林 正人  北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40514469)

研究期間 (年度) 2021-09-10 – 2023-03-31
キーワード超秩序構造 / 大規模計算 / 準安定結晶構造 / データベース / 反応経路自動探索 / 量子化学 / 分子動力学
研究実績の概要

本研究では、(1)多様な超秩序構造材料の大規模量子分子動力学計算を実現するプログラムの開発と、(2)準堰堤結晶構造データベースとパーシステント・ホモロジー解析を利用したアモルファス-結晶の構造相関解析手法の開発を推進することにより、超秩序構造材料の機能発現機構を原子レベルで解明する計算化学プラットフォームを構築し、領域内の融合研究に利用する。
(1)に関して、我々は数千~数万原子系の量子化学計算法である分割統治密度汎関数強束縛(DC-DFTB)法を開発してきたが、元素ペアに対するパラメータが必要であり、既存のパラメータで多様な超秩序構造材料を広範に取り扱うことはできない。そこで本年度は、元素ごとのパラメータで計算可能なGFN-xTB法にDC法を導入したDC-xTB法の開発を行った。開発したDC-xTB法による計算時間は系の大きさに対してほぼ線形となっており、またDC法のバッファ領域の大きさを制御することにより通常のxTB法の計算結果が再現できることも確かめられた。
(2)に関して、反応経路自動探索プログラムGRRMを使用して、ガラス化しないTiO2の準安定結晶構造データベースを作成し、すでに構築されていたSiO2の準安定結晶構造データベースとともにそのパーシステント・ホモロジー解析を行った。TiO2の方が低エネルギー準安定構造の数は多かったが、そのパーシステンス・ダイアグラムはスポット的に集中する傾向にあり、ガラス化しやすいSiO2とは大きく異なることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初初年度に予定していたDC-xTB法の開発とSiO2及びTiO2のパーシステント・ホモロジー解析は、おおむね計画通りに行われた。DC-xTB法については、周期境界条件計算への対応などが残っているが、次年度の上旬までにはこれも完成し、また学会・論文発表もできる見込みである。
その他、領域内の融合研究も4件が進行中であり、学術変革領域研究の公募課題としても順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

(1)で開発したDC-xTB法の応用については、領域研究会等で他の参画者ともディスカッションを重ね、領域内でのホットトピックへの応用を目指す。
(2)の準安定結晶構造データベースについては、作成・解析方法が確立したので、今後はコンセプトの立証のために、様々な系、具体的には中間的なガラスへのなりやすさをもつZnCl2やA2B3型の組成を持つ系への適用を考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヒドロキシメチルフルフラールからのフミン生成に対する反応経路解析2021

    • 著者名/発表者名
      田代啓介・小林正人・中島清隆・武次徹也
    • 学会等名
      シンポジウム「化学反応経路探索のニューフロンティア2021」

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公開日: 2022-12-28  

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