公募研究
研究代表者は、Bi系III-V族半導体半金属混晶の特性を生かしたデバイス応用先として、光通信帯光源が利用可能なテラヘルツ波発生検出用光伝導アンテナや動作特性が温度変化に対して変動しない新規光通信用半導体レーザを挙げている。研究二年度目の当該年度は、前者のPCA用半導体材料と位置付けている低温成長GaAsBiの蛍光X線ホログラフィー(XFH)測定に重点的に取り組んだ。低温成長GaAsBiは昨年度、GaAs基板上に250oCで厚み200 nmを分子線エピタキシャル(MBE)成長したものである。Bi組成は1.7%で、ラザフォード後方散乱法の結果を基に算出した。XFH測定は大型放射光施設SPring-8のビームラインBL47XUにて行った。測定で得られたホログラムパターンを基に原子像を表示し、その解析を行ったところ、Bi原子は同じV族元素であるAs原子の結晶格子位置に置換していることが示された。250℃という低温成長であるにもかかわらず、AsとBiの格子位置に関しては、350℃-400℃でMBE成長される高品質なGaAsBiと大きな差がないことが原子分解能レベルで明らかになった。また、今後のXFH測定の温度依存性測定に向けて、Photon Factory(PF)のビームラインBL6Cでも低温成長GaAsBiの測定を行った。この場合の試料は、SPring-8とPFの放射光強度差を考慮し、膜厚を2 μm、Bi組成は3.1%としてMBE成長したものである。しかし、このBi組成では、PFにおいては明瞭なBi原子のホログラムパターンを得ることはできなかった。今後のPFでのXFH測定においては、Bi組成を増加させたGaAsBiを準備する必要があることが予備検討の結果として判明した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
Journal of Crystal Growth
巻: 601 ページ: 126945~126945
10.1016/j.jcrysgro.2022.126945
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.9797704fc927298d520e17560c007669.html
https://sites.google.com/view/yorikotominaga-crystalg/home