公募研究
1.量子ドットの肝臓内高効率導入と高輝度基準微小光源としての有用性評価エレクトロポレーション法およびリポソーム融合法により様々な物質(薬剤、遺伝子、化学物質など)を肝細胞・組織に物質を送達可能なナノキャリアとして知られるバイオナノカプセル(Bio-nanocapsule: BNC)を作製した。そして、これまで開発に成功している、Cd(カドミウム)を含まない超低毒性で生体内においても超高感度、超安定性、超耐光性を有する量子ドット(ZZC,商品名:FluclairTM)を肝臓内に高効率に導入した。そして、肝臓内基準微小光源としての最適な条件(蛍光波長、蛍光強度、投与量など)を最適化し、有用性を評価した。その結果、量子ドットが深部の高輝度基準微小光源として、活用できることを明らかにした。2.散乱光(振幅・位相)計測と補償光学による肝臓透視化評価量子ドットを導入した生体内肝臓を用いて、散乱透視学に取り組む学術変革領域研究(A)と共同・連携して散乱光の振幅、位相を正確に計測することで、散乱光を補償するディジタル位相共役により肝臓内部に励起光を照射可能な透視化の検討に取り組んだ。また、炎症肝臓では肝細胞死滅に伴う肝組織構造や集積物質の変化により正常肝臓とは異なる散乱光を示す可能性が高い。そのため、各炎症状態(急性、慢性、劇症など)による最適化も行った。その結果、肝臓深部での観察が可能となった。
2: おおむね順調に進展している
予定していた研究項目を瑕疵なく進捗できているため。
散乱光(振幅・位相)計測と補償光学による肝臓透視化評価の最適化を進める。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件)
Sci. Rep.
巻: 11 ページ: 4248
10.1038/s41598-021-83285-y.
J. Mater. Chem. C,
巻: 9 ページ: 12791-2801
10.1039/D1TC02746H