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2021 年度 実績報告書

母乳がミクログリアを介して脳の発達に与える影響について

公募研究

研究領域グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解
研究課題/領域番号 21H05611
研究機関群馬大学

研究代表者

定方 哲史  群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90391961)

研究期間 (年度) 2021-09-10 – 2023-03-31
キーワードミクログリア / IgG / 母乳
研究実績の概要

我々は、ミクログリア初代培養に対するIgG刺激の有無によりどのような遺伝子発現変化が起こるのかについて(バルクの)RNAシークエンスによって解析を行った。その結果、Type Iインターフェロンの発現を促進する遺伝子群の上昇が明らかになった。Type IインターフェロンはJak/Statのシグナル系と密接に結びついている。検討の結果、IgG刺激によりStatのリン酸化が誘起されることを明らかにした。またStatのリン酸化はIgG2aのFc領域のみで誘起されることもわかってきている。このIgG2a刺激はミクログリア細胞の貪食活性も上昇させることも示された。
ミクログリアはマクロファージ様の性質を持つため、Flow Cytometryによる定量的な解析に適している。野生型とFcRn KOマウスから生まれた仔マウスのミクログリア細胞を用い、ミクログリア自身の様々な活性状態のほか、脳の各種細胞の状態(生存・増殖・細胞死・活性状態)について、各種マーカータンパク質を指標として、Flow Cytometryにより定量的に解析を行った。その結果、FcRn KOマウスにおいて、細胞分裂を行っている細胞が少なく、アポトーシスを起こしている細胞が増えていることなどが分かってきた。
現時点においてはFcRn KOマウスにおいて興奮性シナプスの増加が見られている。IgGが結合をしないことでミクログリアの貪食活性が低下するため、シナプスの貪食が起きづらくなっているものと考えられる。
野生型群とFcRn KO群を行動学的に比較し、社会性行動の変化やホームケージでの行動量の変化が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究にはシングルセルRNAシークエンス(scRNA-Seq)による大規模遺伝子発現解析が不可欠であるが、研究室のある棟の改修があり、7月に引越し予定であったが、直前に避難先の部屋面積が足りないことがわかり、避難先が決定せず、scRNA-Seqのサンプル調整の検討に必須であるフローサイトメトリーを予定通りの時期に開始することができなかったため。

今後の研究の推進方策

大脳における各種ニューロンおよびグリア細胞を(ミエリンを除いた形で)バランスよく単離する条件をフローサイトメトリーにより検討する。条件決定後、シングルセルRNAシークエンスを行い、野生型とFcRn KOマウスの大脳の各種細胞において、どのような変化が起きているのかについて俯瞰的に捉え、システムとしての変化を包括的に捉える計画である。この解析により、IgG刺激を受けたミクログリアがニューロンやオリゴデンドロサイトに与える影響が細胞のクラスターレベルで明らかになる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Transplanted human iPSC-derived vascular endothelial cells promote functional recovery by recruitment of regulatory T cells to ischemic white matter in the brain2023

    • 著者名/発表者名
      Xu Bin、Shimauchi-Ohtaki Hiroya、Yoshimoto Yuhei、Sadakata Tetsushi、Ishizaki Yasuki
    • 雑誌名

      Journal of Neuroinflammation

      巻: 20 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1186/s12974-023-02694-0

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Loss of CAPS2/Cadps2 leads to exocrine pancreatic cell injury and intracellular accumulation of secretory granules in mice2022

    • 著者名/発表者名
      Sato Y, Tsuyusaki M, Takahashi-Iwanaga H, Fujisawa R, Masamune A, Hamada S, Matsumoto R, Tanaka Y, Kakuta Y, Yamaguchi-Kabata Y, Furuse T, Wakana S, Shimura T, Kobayashi R, Shinoda Y, Goitsuka R, Maezawa S, Sadakata T, Sano Y, Furuichi T.
    • 雑誌名

      Frontiers in Molecular Biosciences

      巻: 9 ページ: 1-18

    • DOI

      10.3389/fmolb.2022.1040237

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 母性因子がミクログリアを介して子の脳の発達に与える影響の解析2022

    • 著者名/発表者名
      定方哲史、高雄啓三、金子涼輔、飯島崇利
    • 学会等名
      NEURO2022(第45回日本神経科学大会・第65回日本神経化学会大会・第32回日本神経回路学会大会 合同大会)

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公開日: 2023-12-25  

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